2012年1月11日水曜日

サングラス型のウェアラブル・ディスプレイが登場 AR利用の可能性を広げるか?

iPhoneアプリなどで見かける、AR(拡張現実)というキーワード。今まではどうもゲーム用の技術という色が強かったように感じています。そのためなかなか市場が開けてこない。しかし、AR用のディスプレイが進化して、ウェアラブル化(身につけられる物になること)したら大きく変わる可能性があります。

Vuzixが発表したサングラス型のウェアラブル・ディスプレイは、もしかしたらARの可能性を大きく広げるかもしれません。なぜなら、
 ・サイズが一般的なサングラスと同じ
 ・透過性なので、普通に景色もちゃんと見える
 ・景色に重ねて映像が表示できる
 ・インターネット接続デバイスと連携できる
といった特徴があるためです。ヘッドマウントみたいに大掛かりな装置がいらず、普通に身につけられるレベルになっていますからね。

では、どのような分野で使用できるか。いくつか考えられる物をあげていきましょう。
・スポーツ分野
自転車やマラソンランナー用のディスプレイとして利用できそうです。ナビゲーションだけでなく、心拍数や走行距離などの情報をデバイスを使うこと無く利用できるようになるでしょうね。

・自動車分野(パーソナル・モービル)
まず、わかりやすいのはバイクのナビゲーションでしょうね。それと今後開発されて出てくるであろう、パーソナル・モービル。セグウェイみたいなやつですね。

・エンターテイメント分野
両手が開くので、体を動かすようなアクティビティでも使えるでしょう。例えばお化け屋敷なんかで使ったら、ものすごく怖いお化け屋敷になるかもしれませんね。舞台の演出で使えば、さらにエンターテイメント性が高まるかもしれません。そのうちシルクド・ソレイユがそんなショーを作るかもしれませんね。

・工業分野
工場などの製造ラインでの操作手順や注意喚起に利用しやすくなります。既に一部企業では導入しているので、その普及範囲は広がるかもしれませんね。

・建築分野
危険が伴い、熟練の技が必要な建築現場でも、工場と同様に利用できる可能性は高いのではないでしょうか。設計図面を透過して建物をチェックする、なんてこともできるわけですから。

・医療分野
こちらも既に一部実用化されています。手術の看護のサポートで使われるようになるでしょうね。

・ホワイトカラー
オフィスではいらないかというと、そうでも無いかもしれません。オフィス内のコミュニケーションの補完ツールとして利用されるかもしれませんしね。ディスプレイばっかり増えて、煩雑にならないように、ユーザエクスペリエンスのデザインはとても重要になりそうですが。

このウェアラブルのディスプレイだけでなく、キネクトのように動作をセンサーで感知する仕組みや、見えているものをカメラで捉えて解析する画像解析技術、iPhoneのSiriのような音声認識の仕組みがあれば、さらに可能性は広がると思います。イメージとしては、ハリーポッターのような世界を、テクノロジーで作れるようになるでしょうね。

もちろん、その分リスクはありますし、ちょっと提供方法を間違えればユーザが混乱してしまいます。ユーザ視点に立ったサービスをどうデザインするか、テクノロジーが進めば進むほど、深く考えるべきなのではないかと改めて思ってみました。