2012年3月7日水曜日

プラチナバンド獲得で7.25“つながるソフトバンク”へ ⇒ 環境改善も投資負担は1.55兆円

注目を集めていたプラチナバンドの900Mhz帯ソフトバンクに落ち着きました。おそらく2012年の通信業界最大のニュースになるでしょう。なぜなら、今後の通信業界、とくに携帯キャリアの勢力図に大きく影響を与える可能性があるからです。まずは現状の環境を整理してみたいと思います。

お父さん - 2011.4.15 (60/365) / loveloveshine



  携帯主要キャリアのインフラ条件が変化 ⇒ ソフトバンクが有利に?
今までソフトバンクはプラチナバンドをもっておらず、
“つながりにくい”キャリアというイメージが強くありました。このイメージを払拭するために
 ・WiFiスポットを全国24万箇所に設置(2012年3月現在)
 ・マイクロセル方式で基地局を18万箇所に設置(2011年度末現在)
  ※(基地局ひとつあたりでカバーする範囲を狭くし、多くの基地局を置く方式
などの取り組みを行ってきました。それでも、基本的なインフラ能力ではNTTドコモやauより常に評価が低い状態であり、通信環境の改善はソフトバンクにとって最大の課題だったわけです。

しかしながら、2011年下半期から相次いだNTTドコモの通信障害を契機に、WiFiスポットを利用したデータオフロードやマイクロセル方式の有効性・必要性が見直されてきていました。スマートフォンで増大した通信量にはデータオフロードやマイクロセル方式は有効な解決策なのです。

そこにきてNTTドコモやauと同様にソフトバンクもプラチナバンドである900Mhz帯を獲得(NTTドコモとauは800MHz帯を使用)。3社ともにプラチナバンドを持ち、すでにマイクロセル方式とWiFiスポットを数を置く備えているソフトバンクが通信環境では頭ひとつ出るような格好になってきたわけです。


  7月25日、“つながるソフトバンク”へ ⇒ 利用環境大幅改善もソフトバンクの投資負担増
900Mhz帯でのサービススタートは7月25日から。すでにiPhone4、iPhone4S、iPad2はこの900Mhz帯に対応しているため、7月25日からサービスが利用できるようになります。なお、iPhone3G/iPhone3GSについては900Mhz帯に対応していないため、機種変更が必要となります。また2012年の夏モデルもすべて900Mhz帯に対応した機種になるとのこと。

ただし、実際には900Mhz帯に対応した基地局が必要になります。いまのところ2012年内に1万6000箇所に設置、2016年までに全国4万1000箇所に設置して人口カバー率を99.9%にする予定となっています。このためソフトバンクは、2011~2013年度の合計で1兆5500億円もの投資を行うこととなります。今後、この投資回収がソフトバンクの大きな課題となり、私たちユーザの利用料金とも密接に関わってくるのでしょう。