2012年3月29日木曜日

新しいナビゲーションの形、SNS+カーナビ=「Waze」 ⇒ ビッグデータ+ナビゲーションで未知の可能性へ

ナビゲーションサービスは、行き先の案内だけでなく、目的と行動も案内する時代に。SNSとカーナビの機能を融合したスマートフォン向けのアプリ「Waze」が注目を集めています。


  「Waze」とは ⇒ SNS+カーナビの新サービス
「Waze」はiPhone、Android向けに提供されているスマートフォン・アプリ。2009年にサービスを開始しており、現在世界で1000万ユーザを抱えています。その特徴はというと
 ・SNSの機能を搭載
 ・最新の交通情報を口コミから反映
 ・企業イベントのプロモーションでも活用
といったところ。また、ユーザインタフェースもとてもかわいらしく、ゲーム感覚で利用できるのも特徴です。なお、日本語対応はしていませんが日本でも使うことができます

交通情報に関しては、自動車からの走行速度などのデータによる機械的な情報と、ユーザがアプリから送信する「事故」「渋滞」といった情報から総合して分析。その正確性は非常に評価が高く、ABCニュースの道路交通情報で利用されているほどです。

また、企業プロモーションとしては2011年3月にNintendo3DSのプロモーションを実施。その内容は
 ・販売店など60箇所にプロモーションイベント会場を設置
 ・ユーザが近くを通るとイベントに行くかどうかがたずねられる
 ・ユーザがアプリ上で「ナビゲートする」を選択すると会場までナビゲート
 ・会場に来たユーザ100人にNitendo3DSのソフトをプレゼントする
というもの。この広告を表示したうち、20%が「ナビゲートする」を選択し、8.1%が会場にまで足を運んだそうです。


  「Waze」の広がる可能性 ⇒ ビッグデータ時代におけるナビのスタイルへ
「Waze」は、行き先だけでなく、行動までもを提案する、新しいナビゲーションサービスのスタイルといえます。中でも、以下の3点を活用している点でビッグデータの観点からも注目できます。
 ・IOT(モノのインターネット)を活用していること
    ・・・ ユーザデバイスなどを利用して速度情報を取得
 ・SNSを活用していること
    ・・・ ユーザ自身からの情報を取得
 ・データアナリティクスを行っていること
    ・・・ IOT+SNSのデータから交通情報をリアルタイムにフィードバック

現在はカーナビとしての利用が前提となっていますが、同様の仕組みを歩行者用のナビゲーションサービスに適用することも可能です。例えば、渋滞情報の変わりに電車の運行情報・混雑情報をリアルタイムに反映してルート案内に反映する、その際に時間に余裕があればクーポン情報と一緒に喫茶店によることを提案する、などというサービスが登場するかもしれません。

また、「移動中にスマートフォンを操作したら危ない」という指摘もあるでしょう。しかしながら、この点はユーザデバイス自体の進化によりナチュラルインタフェースで操作できるようになれば問題は解決します。要するにSiriのような音声認識で操作ができれば、少なくとも操作のために画面を確認する必要もなくなります。現時点でもWazeの「渋滞」「事故」といった程度の情報であれば、十分に対応可能なレベルでしょう。

将来的にはここにFacebookやTwitterなどのユーザのプロフィール情報や投稿情報から、個々のユーザの嗜好・行動パターンなどを特定してナビゲーションに反映することも可能になります。単純に考えれば、お店を提案するときにいつもスターバックスに行っている人にはスターバックスを、ドトールに言っている人にはドトールを提案して、誘引率の向上を図る、ということが考えられます。また、ナビがあっても迷ってしまうことが多い人には多少遠回りでもわかりやすい道を、体力に自身がない人には坂道や階段が少ない道を、といった形でユーザのコンディションに応じた案内提案もできるようになるでしょう。まさにユビキタスなサービスとなるのです。

SNS+ナビゲーションだけでなく、ビッグデータ+ナビゲーションで新しい可能性は大きく開けそうです。


関連URL)
 Waze