2015年12月3日木曜日

感謝を込めてリスタートします。

このブログを更新するのはどれくらいぶりでしょう。2年ぶりぐらいですかね。長い旅をして、ようやくまたこの場に戻ってくることにしました。

きょう、プロフィール用の写真を撮ってもらいました。この写真は、ただのプロフィール写真ですが、ぼくにとっては大きな意味がある写真だな、と眺めていました。

写真を撮ってくれたのは、北九州のプロ・フォトグラファーの木寺 一路さん(FU 代表)。そしてこのヘアスタイルにしてくれたのは、同じく北九州で美容室 Gallaryを営む池留 正博さん(株式会社アージー&カンパニー 代表取締役)。

なぜ、横浜出身で、東京で仕事をしていははずのぼくが、北九州でこんな写真を撮っているのか。そんなことを少し、書き残したいと思います。なぜなら、それはぼくが北九州にいる理由だから。

ぼくは2013年の春に北九州に前職の仕事で単身赴任でやってきました。スマートシティという、ITを使った新しいまちづくりを事業として行うために。そしてすぐにたくさんの北九州のひと、福岡のひとに出会い、いろいろなプロジェクトに関わることができました。ですが、半年後、2013年の秋に東京に戻るように会社に言われました。理由はいろいろありましたが、一番大きなものは半年で成果が出ていないから、でした。遊んでいるように見えたのかもしれませんね。

ですが、私は北九州から引き揚げたくありませんでした。2013年の半年間で北九州というまち、福岡というまち、そして九州という場のポテンシャルを肌で感じていたからでした。そしてちょうど長男が生まれ、長男を抱いているときに、この子が生きる未来を作りたい、と思うようになっていました。だから、北九州の場でチャレンジし続けることを選択し、会社を辞めました。

北九州のどこにポテンシャルを感じたのか、といったことをよく質問されます。ぼくがポテンシャルを感じたのは、高齢化、インフラの老朽化、そして合併によって異なる地域文化を内包している、という都市課題が集積し、かつ複雑化している、というところです。これらの課題はとても難しく、悲観的に見れば何も生み出さないようにも見えます。しかしながら少し見方を変えると、こうした課題は今後アジア・アフリカなどの新興国で立ち上がっている都市が抱え得る課題です。つまり、北九州でこれら課題の解決策を創り出すことができれば、それはアジア・アフリカに提供できる価値に代わるのです。課題は価値に変えられる、その概念は北九州のまちが教えてくれた新しい可能性でした。このあたりは北九州ローカル・クラウド・ファンディングのイベントでプレゼンしたときに触れたので、その動画もご紹介しておきます。

 北九州ローカル・クラウド・ファンディング
  
会社を辞めたあとはもちろん、平たんな道ではありませんでした。半年間収入がない状態にもなりました。平静を装っていましたが、内心は心配事で頭はいっぱい。口約束で仕事をしてしまって、報酬が入らなかったこともありました。けれども乗り越えることができました。それは自分一人ではできなかったことです。ぼくが幸運だったのは、乗り越えさせてくれる仲間を得ることができたからでした。

会社を辞める2014年の年明けごろ、有給消化を使って北九州に来ていました。そこでであったのが、コワーキングスペース 秘密基地です。この場所は、ぼくが昔から〝いつか創りたい”と思っていた場所そのものでした。ひとがつどい、つながることに価値がある場所。ずっと夢だったものが、ある日突然叶ってしまった、そんな感覚でした。

ぼくは初めて秘密基地を訪れた日に、入居することを決めて、そして会社員ではない、新しい道を始めることにしました。

秘密基地は、ぼくにたくさんの可能性をもたらしてくれました。たくさんのひと出会い、、日々たくさんの学びを得て、そして実践の場となってくれました。気がつくと、Facebookの友達の半分以上が九州の友達になり、小倉のまちをあるけば知り合いに必ず会うほどになりました。とても居心地がよい場所になりました。

そんな中、2014年7月31日に自分の会社 フィールド・フロー株式会社を秘密基地で登記し、ファシリテーターとして自治体や企業の活動を支援する仕事を始めました。正直、最初は仕事も取れない時期がありました。東京と九州を往復する生活で、家族にも負担をかけてしまいました。けれども、たくさんの仲間の助けがありました。北九州でであったひとたち、東京から応援してくれる人たち、そして家族。自分はひとりじゃない、ちゃんと歩んでいける、恐れを乗り越えるだけの勇気をたくさんもらいました。

そして今では北九州市や福岡市をはじめとする自治体の政策の支援や、大企業からベンチャーまで企業規模を問わない新規事業支援、そしてまちづくりの活動にも関わるようになりました。2015年3月からは北九州のコミュニティFM FMKITAQで、KITAQ企画会議という番組のパーソナリティも務めたりもしています。

こんな動きの中で出会ったのが木寺さんや池留さんでした。きょう、こうして写真を北九州で撮れたこと、そしてこれからもたくさんの人たちと何かを作り出していけることを、とても幸せに感じます。

これからまた新しいステージに向かっていこうと思います。だからこのブログも、ぼくを支えてくれる人たちに感謝の気持ちを込めて、新しいカタチで、リスタートしようと思います。



フィールド・フロー株式会社 代表取締役
渋谷 健