2012年9月28日金曜日

気になるニュース(09/27) KDDIが災害時に海上から通信カバー ⇒ 災害専用システムのリスク回避もあわせて考える必要あり

KDDIは携帯基地局を船上に設置して災害時に海上から通信環境をカバーする、という主旨の実証実験を行うことを発表しました。


au(KDDI) 3G - iPhone 4S. / MJ/TR (´・ω・)

実証実験は2012年11月下旬より広島県呉市にて、海上保安庁と協力して実施。大規模な震災に見舞われた場合、陸上のインフラは破壊され、復旧作業はままならない状態になります。これに対し、陸上の被災状況に影響されない海上を利用することで、早期復旧を実現することが狙いです。

東日本大震災においても、すでに通信ネットワークはライフラインともいえる重要な社会インフラとなっています。通信ネットワークがあれば被災状況、必要物資などがわかり、救難活動・復旧活動がより適切に実施できるようになるからです。情報があれば、計画・対応策の精度があがり、行動を取りやすくなるのです。この通信ネットワークいち早く復旧させるための手段として、ソフトバンクも気球を飛ばして空に基地局を設置する、という実証実験も行っています。これも今回の海上での実験と同様、陸上の被災状況に影響されない通信ネットワーク確保の方法といえるでしょう。

これら海上や空中での災害時用基地局は、災害対策としては有用だと考えられます。しかしながら、災害時だけしか使われないシステムでもあります。普段から使用していないシステムは、災害時に適切に利用できなかったり、予期せぬトラブルを起こすこともあります。これは災害専用システムに共通するリスクです。より現実的に災害時に役立てるためには、平常時においても一定の役割を与え、持続的に運用している環境もあわせて作っておくことも必要です。