2012年4月27日金曜日

ビッグデータ市場は2020年に1兆円に ⇒ 言葉に踊らされず、自分のスタンスで、自分の未来を創る時代


バズワードになってきたビッグデータ。このビッグデータに関わる市場は今後どうなっていくのでしょうか。過剰ともいえる期待感はどこかで現実論に変える必要があります。

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  高まるビッグデータへの期待 ⇒ 2020年には国内1兆円市場へ
矢野経済研究所は4月24日に「ビッグデータ市場に関する調査結果 2012」を発表しました。この発表によると、2011年の日本国内市場規模は1900億円。これが2020年までに1兆600億円規模まで成長するとしています。

市場成長は2011~2014年まではデータ分析サービスを中心に成長。実際にGoogleやIBMなどのグローバル企業も、日立やNECなどの国内IT企業もデータ分析関連のサービスを発表しています。2015年前後はこのデータ分析を経営に活かすことが本格化し、複数の企業がデータを共有して利用するようにもなってくるとのこと。LOD(Linked Open Data)が一般化してくるという予想でしょう。そして2017年にはスマートシティを中心に、社会コストを改善するサービスに発展していくとしています。


  ビッグデータはビッグワード? ⇒ 自らのテーマ設定が鍵
過熱気味な感もあるビッグデータに対する期待感。あれもこれもビッグデータで、あたかもビッグデータを扱えば全てかが解決するかのように言われていることすらあります。そのわりには、分散処理やストレージサービスなどのサーバ関連の話ばかりで、まったくもってエンドユーザ向けのサービスが見えないことも少なくありません。結局、ビッグデータが何ができるか、ということが十分に説明されておらず、単なるビッグワードになりかけてきています

ビッグデータは情報の「速さ」「量」「多様性」「複雑性」が増して予測不可能な変化を生み出すことによって社会にインパクトを与える現象です。やる、やらないという判断が必要なものではなく、これからの社会における必然の流れであり、誰もがその中で生きていくことが求められるのです。つまり、ビッグデータは何かを解決するための魔法の杖でもないですし、何か特定のサービスに関わっておけば大丈夫、というものでもないのです。大事なことは、これからのビッグデータという社会現象が起きる時代に“自分自身がどういうスタンスで何をテーマにしていくかを設定していくか”、ということなのです。


  分析だけでは見えないテーマ設定 ⇒ 未来は自分で選び、創れる時代
結局のところ、ビッグデータの時代に何を実現するか、というテーマ設定は自分で行わなければいけません。ではどうやって行えばいいのでしょうか。マーケットを分析し、将来を予測し、確度の高いビジネスを立ち上げる、キャリアパスを描いていく。それも間違いなく必要です。しかしながら、予測不可能な変化が生まれてくる時代に過去の分析だけでは十分とはいえません。

ではどうするか。当然、時代の変化に合わせて柔軟に動くことは必要です。しかし、基本のスタンスがぶれると結局何もつかめません。つまり、変化が大きな時代でも変わらない芯を持つことが大事なのではないでしょうか。そしてその芯は、自分自身がやりたいこと・実現したい未来像でいいのです。あとはその未来に向けて、次代の変化を利用していけばよいのです。例え、突拍子もない未来像だとしても、よほど最先端分野の技術開発に取り組んでいなければ、その実現に“欲しい”と創造した技術(またはそれを代替できるもの)は必ずといっていいほどあります。ひとりではできないことでも、フューチャーセンターなど組織の壁を越えてつながる取り組みがすでにあります。ビッグデータの時代は自分が描いた未来を自分で創れる時代なのかもしれません。


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