ソーシャルメディアやメールによるトラブルが目立ってきています。とはいってもいずれもヒューマンエラー、操作時のミスや不注意によるもの。ただ、ちょっとしゃれにならないケースが出てきています。
オランダ北部の街ハーレンに住む15歳の少女がFacebookを通じて誕生パーティーを告知。これを非公開設定にすることを忘れてしまったためにFacebook上で2万人ものユーザから返信が寄せられ、誕生日には4000人が殺到し、スーパーで略奪騒ぎが起きるなどの事態になりました。ちなみにハーレンは人口1万6000人程度の街なので、突然の来訪者に街は騒然としたことに違いないでしょう。
イギリスでは水泳のコーチが誤ってガールフレンド宛のメールを連絡先に登録している全員に一斉送信。この内容に性的な描写があり、かつ登録している連絡先に13歳と14歳の女子生徒もいたために、未成年に対する性的行為を行った罪で実刑判決を受けてしまったのです。結果的には刑期9ヶ月、執行猶予付きで収まりましたが。
Web利用者数が劇的に増え、ソーシャル・メディアを通じて時間的・空間的制約もなく、誰とでも情報を交換できる現代。逆に言えば、ちょっとしたミスが一気に拡大し、想像もしてなかったトラブルを呼び起こしてしまう、という教訓がこれらの事件からは得られます。これはユーザにしてみれば“気をつけて利用しよう”ということに過ぎません。しかしサービス提供社側、ユーザエクスペリエンスをデザインする側にとってみれば、こうしたユーザのリスクを考慮し、問題が発生しないようにフールプルーフを考えていくことはより重要になっていると言えます。