なお、PESTとは
・Political(政治)
・Economic(経済)
・Social(社会・生活)
・Technology(技術)
の頭文字をとったものであり、経営がおかれているマクロ環境、つまり社会全体の状況を把握・分析するための手法です。
① 目的を明確にする
何のためにPEST分析を行うのか、明確にします。例えば、
・自社の経営戦略を立てるため
・個別の商品やサービスを企画するため
・客観的に社会動向をおさえるため
などが目的となります。ちなみに目的無く分析を行うと、宙に浮いた、中途半端な結論しか出せません。
② 情報を集める
世の中で何が起きているのか、情報を集めます。情報の集め方としては
・ニュースを確認する
・書籍で調べる
・セミナーなどに参加する
・知っているヒトに会って聞く
といったものがあげられます。集めた情報は整理して保存し、後で確認できるようにしておくことが必要です。具体的にはEvernoteでメモを残していったり、Twitterやブログに投稿しておく、といったものがあります。Googleリーダーやはてなブックマークを利用して、ニュースにタグ付けして整理する、という手段もあります。
なお、この情報集めは“常にやっていること”がとても大事です。継続してやっている期間が長ければ長いほど、精度の高いPEST分析ができます。
③ 4つの観点で分類する
集めた情報をはPolitical(政治)、Economic(経済)、Social(社会)、Technology(技術)の観点で整理します。②の情報収集とあわせてやってしまうと楽にできます。なお、このとき厳密に分ける必要はありませんし、複数の観点にまたがってしまってもかまいません。
参考までにどういった内容がそれぞれの観点に当てはまるか、整理しておきます。
・Political(政治)
法律、政策、地方自治、外交、裁判の判例、行政サービスなど
・Economic(経済)
景気変動、企業業績、為替動向など
・Social(社会)
消費者の嗜好、人口、教育、文化、治安など
・Technology(技術):
新技術、ITサービス、新素材、医療技術など
④ 4つの観点それぞれでまとめる
分類した情報をPolitical(政治)、Economic(経済)、Social(社会)、Technology(技術)それぞれの観点でまとめます。
1・類似する情報を3~5つぐらいのグループに整理
2・グループごとに、何が起きているのかを20文字ぐらいで説明できる言葉をつける
3・2をふまえて、各観点で何が起きているのかをシンプルに説明する
⑤ 全体でまとめる
①で決めた目的と、④の内容を踏まえて、全体としてどういった状況にあるのかをまとめます。できれば、一言で表現できるようにします。このとき、
・何が起きるのか
・それが起きると誰が何に困るのか or 誰が何によってよろこぶのか
・そのために何をすべきか
を突き詰めていくと、かなりまとまった結論が出てきます。
以上が簡単なPEST分析のやり方です。慣れていないと下手をすれば何日もかかりますが、慣れてしまえば割と短い時間でできるようになります。簡単にまとめるだけなら、1~2時間もあれば十分でしょう。ちなみに関連する分析手法として5ForceやSWOTなどもあります。
もし自分でやるのが面倒であれば、マーケティング会社やコンサルティング会社に依頼したり、資料を買ってしまうというのも手段です。しかしながら、経営に興味がある、または経営に関わっているという方は身に着けておいて損はない手法だと思います。(なお、これら分析にはロジカルシンキングが必須です。)
ちなみに2012年のトレンド予測についてPEST分析をしていますので、こちらもご参考に。