AppleがiOS6を発表し、その中でMapsの内容が明らかになったことで、Google VS Appleの地図戦争が注目を浴びています。しかし、なぜ地図なのでしょうか。
地図が鍵を握る理由 ⇒ 将来のビジネスの可能性
・地図というユーザ・インタフェースの利用可能性
・M2Mでの位置情報利用の可能性
の大きく2つ。そしてその背景にはモバイルの存在があります。
地図というユーザ・インタフェース ⇒ 視覚的にユーザの利便性を向上
まず、ユーザ・インタフェースとして見た場合、地図は視覚的にわかりやす情報を整理することができます。とくに物理的な位置関係、距離感、物事の発生状況などを一覧性を持って確認するには最適のツールです。したがって情報の検索結果、処理結果を描写するには有用なフレームワークともいえるのです。さらに今後、モバイルでのインターネット接続が増えていくと、情報の利用方法は自分が“今、ココ”にいる場所が中心となってきます。「今いる場所から10分以内でいけるランチ」といった検索を行うようになるわけです。そうなると、リスト形式の検索結果表示だけでなく、地図上への検索結果表示はユーザにとって非常に利便性が高くなります。しかもそこで店舗を選択したら、店舗までのナビゲーションまでできてしまうとしたら、かなりのユーザ利便性が期待できるのではないでしょうか。
M2Mでの位置情報利用 ⇒ 社会システムの基盤強化へ
そしてM2M。これはMacine to Macineの略語で、センサーなどの機会同士でインターネットを介して情報のやり取りを行う仕組みのことを言います。IOT(モノのインターネット)の一部。このM2Mは現在私たちの生活で利用されるシーンが増えてきています。最たる例はスマートメーター。電力や水道などの検針を、インターネットに接続されたメーターで自動で行い、需給制御に利用するというものです。このとき、位置情報を関連付けることで一定エリア内での情報変異を把握し、エリア単位での制御が可能になってきます。今後EV車両が普及してくれば、EV車と充電スポットがM2Mでつながって制御されるような仕組みも出てくるでしょう。EV車両の受電残量と充電スポットの混雑状況がクラウド上で統合管理され、EV車両に対してどこの充電スポットを利用すべきか、誘導情報を配信するようなイメージです。これにより、EVの充電切れ、充電スポットの混雑回避といった問題を回避できるようになるからです。こちらもモバイル=移動体という切り口でみていくと社会的な利便性につながる可能性が高いわけです。