2012年4月29日日曜日

世界の住みにくいまちランキングTop20からみえる社会問題 ⇒ 少しずつでも現実を知ることが世界を変える

世界の住みやすいまちランキングの反対には、世界の住みにくいまちランキングがあります。この住みにくいまちランキングには、私たちが向き合うべき社会の問題が潜んでいるのではないでしょうか。

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  世界の住みにくいまちランキング ⇒ 私たちが考えるべき社会問題を抱えたまち
ECAインターナショナルは世界の住みやすいランキングにあわせて、世界の住みにくいまちランキングを発表しています。これらの街は、医療問題、治安の問題、インフラの問題、政治の問題、雇用の問題など社会の問題を大量に抱えたまちといえます。

1位 : バグダッド(イラク)
2位 : カブール(アフガニスタン)
3位 : ポルトープランス(ハイチ)
4位 : カラチ(パキスタン)
5位 : トリポリ(リビア)
6位 : コナクリ(ギニア)
6位 : サナア(イエメン)
8位 : ンジャメナ(チャド)
9位 : ブラザヴィル(コンゴ)
10位 : ニアメ(二ジュール)
10位 : ハルツーム(スーダン)
12位 : ジブチ(ジブチ)
13位 : 平壌(北朝鮮)
14位 : イスラマバード(パキスタン)
15位 : アスマラ(エリトリア)
16位 : アルジェ(アルジェリア)
17位 : キンシャサ(コンゴ)
17位 : アブジャ(ナイジェリア)
17位 : アシハバード(トルクメニスタン)
17位 : ルアンダ(アンゴラ)
17位 : ハラレ(ジンバブエ)


  単純ではない問題 ⇒ 対立構造にメスをいれる解決策が必要
こうしたまちが抱えている問題は、遠い国の関係ない話、と割り切ることはできません。なぜならすでに経済はグローバル化しており、経済は連鎖性を持っているからです。世界のどこかで何かが起きれば、自分のまちにも影響が及ぶことは少なくないのです。例えば中東での問題は私たちの生活を支えている石油の採掘に関わる問題になりますし、東アジアでの紛争は国際外交を緊張させて貿易を冷え込ませることもあります。また、アフリカ経済はアジアの次に伸びる経済ともいわれていますが、社会が不安定な状態では企業進出など不可能に近くなります。

つまり、こうした住みにくいまちで起きている問題は無視できる問題ではないのです。しかしながら単純に仕組みで解決できる問題ばかりではありません。むしろ仕組みで解決できる問題は少なく、複雑な社会の対立構造にメスを入れる必要があります。歴史的に階級社会や奴隷制度があり、その風土が根強く残っていたり、武力によって権利を主張する地域であったり、麻薬などの犯罪が経済を支えてしまっていたりと、社会の本当に根深い部分で問題を抱えているのです。こうした根深い問題に踏み込むことが必要なのです。


  今できることは現実を知ること ⇒ 少しずつ知って、少しずつ積み上げていく
ではどうやって対立構造にメスをいれればいいのでしょうか。その答えは今はまだ見つかっていないように感じます。うわべの議論から進むことができず、医療などの支援を行えていますが根本的な問題の解決には、なかなか向かえていない、というのが現実なのではないでしょうか。企業やNPOの支援は尊敬に値するものばかりですが、それでもこうした住みにくいまちが抱えている問題の解決までには行き着いていません

おそらく、この問題に踏み込むにはまだ時間がかかります。問題の解決には、現実を直視し、本質を知り、そこから解決策を見出して、アクションを起こしていく必要があります。そのプロセスに照らし合わせると、今はまだこうしたまちが抱える現実を直視しきれていないからです。遠い対岸で火事が起きていることを“知っている”だけであり、“わかっている”わけではない。もちろん“わかっている”ひとも少なくありませんが、その絶対数は足りない。まずは何が起きているかを少しずつ知っていくこと、そしてできることを少しずつやっていくことが必要なのかもしれません。その積み上げがいつか世界を変えるのではないかと思います。