「Search plus Your World」とは「Search plus Your World」は、
・SNS「Google+」のユーザ情報も活用し
・Web上のコンテンツ(他ユーザによるSNSへの投稿内容も含む)の関連性を分析して
・より個人に最適化された検索結果(パーソナライズされた検索結果)を提供する
というものです。いわば、ユーザ一人ひとりに対する“おすすめ情報の提供サービス”です。
「Search plus Your World」は必要なのか?
インターネットが登場し、一般的に使われるようになった近年。私たちは何か疑問に思たのなら、検索をすれば何かしらの答えを、誰もが簡単に手に入れられるようにはなしました。
しかし、インターネット上の情報はどんどん膨れ上がっており、いまや“ビッグデータ時代”に突入しています。情報が膨大になったことによって、今までとは違う問題が表れてきました。
・情報の量が多すぎて、必要なものが探せない
・似ている情報が多く、どれを選んでいいかわからない
また、情報にスピードが求められるため、リアルタイムに情報が発信されるSNSからの情報も重要視されてきています。Twitterが東日本大震災で重要なコミュニケーション手段となったことがその一例です。
こうした背景を考えると、
・一人ひとりが必要とする情報を提案できる仕組み
・リアルタイムの情報も反映する仕組み
が必要となってきます。その一つのカタチが「Search plus Your World」というわけです。
ちなみに「Search plus Your World」、当然Cromeでは動くわけですが、Internet Explorerでは動かなかったりします。このあたりはブラウザのシェアを伸ばす戦略の絡みでしょうけれど。
キモは、分析するための情報の確保
「Search plus Your World」は前提として、
・ユーザがGoogle+を使っていること
・個人情報が利用可能になっていること
が必要になります。つまり、Google+からユーザの個人情報が取れなければ、サービスを提供することはできません。
ちなみに、2012年1月現在 Google +のユーザ数は全世界で9000万人を越えたところ。しかしながら、Facebookは2011年9月現在で既に8億人超。さらに機能重複もしていることから、アクティブユーザ数は発表されたユーザ数ほど大きくはなっていないと考えられます。
ちなみに、2012年1月現在 Google +のユーザ数は全世界で9000万人を越えたところ。しかしながら、Facebookは2011年9月現在で既に8億人超。さらに機能重複もしていることから、アクティブユーザ数は発表されたユーザ数ほど大きくはなっていないと考えられます。
今後Googleがこのサービスを拡大するには、Google+のユーザ数を拡大するか、他のSNSとの連携を可能にするか、または別の手段によって分析を実現することが必要となってきます。
なお、1月24日付でFacebook、Twitter、MySpaceのエンジニアが共同でソーシャルメディアから検索結果を得られるツール「focus on the user」を開発しています。対象は、Google+、Facebook、Twitter、MySpace、LinkedIn、Flickr、Quora、Tumblr、Foursquare、Crunchbase、FriendFeed、Stack Overflow、Github。おそらくはこのツールを利用することになるのでしょうね。
無視できない、プライバシーや著作権の問題
「Search plus Your World」の発表直後、米プライバシー団体は「ユーザの個人情報に容易にアクセスできるものでありプライバシー上の問題がある」として、「Search plus Your World」を批判しています。
もちろん、直接直接個人情報を検索したり、表示できたりすることはできません。しかし、
・検索結果としてキーワードに関連するテーマをよく扱っているGoogle+のユーザが紹介される
・Google+内で共有されている写真などが検索結果の上位に表示される
といったサービス内容について、間接的に個人情報へのアクセス量が増えてしまうことを問題としているようです。
加えて、インターネット上での著作権のあり方について議論が巻き起こっており、先日もSOPAやPIPAに対する抗議活動があったばかりです。これらの法案が通ってしまえば、新サービスどころか検索サービスもままなりません。
今後、「Search plus Your World」を展開していくに当たっては、プライバシーや著作権に対するポリシーを明確にし、権利保有者と利用者双方の利益を確保することが必要になってきます。これは言葉で言うほど、簡単ではありませんが。決めればいいというものではなく、文化的政治的な側面も多分に含まれますので。
Googleの「Search plus Your World」を整理していくと、アナリティクス・サービスを提供していくための3つの要点と課題が見えてきます。
まず、アナリティクス・サービスを提供するための要点として、
・差別化可能な、鍵となる(アナリティクスの軸となる)情報を持つこと
・ユーザが必要とする情報に絞り込んで提供すること
・リアルタイムの情報も反映すること
の3点があげられます。
そして実現に向けて解決しなければいけない課題としては、
・差別化可能な鍵となる情報の確保に、多くの労力と時間がかかる
・個人情報や著作権に関するポリシーが必要となる
の2点があげられます。
これら要点を踏まえ、課題を解決してアナリティクス・サービスを提供していくためには、一つの企業単独の力では足りません。加えて言うならば、一般消費者の力と、社会的な理解も必要となってきます。
この点を踏まえると、アナリティクス・サービスの提供の前提には、2012年のトレンドキーワードでもあげた“ソーシャル・コミュニティ”が必要になってくるのかもしれません。
関連URL)
Search plus Your World
focus on the user
アナリティクス・サービスが流行の兆し やっぱりアーカイブされた情報を持っていると強い