Intel Celeron CPU / Uwe Hermann
最新機種に採用されるクアッドコア
まずはCES2012には出展してませんでしたが、Appleが今年3月に発売されると言われているiPad3。クアッドだけでなく、LTEも搭載して高速処理が可能な端末に仕上がるとのこと。米部ルームバーグによると、中国で生産に入っており、2月から生産ラインはフル稼働になりそうだとか。
ちなみにウワサではありますが、iPad3の発売にあわせてiPad2の価格引き下げが行われる可能性もあるそうです。また、iPad4も年内に発売されるといわれています。クアッドコアが搭載されるのはいいですが、どれを買うかは迷ってしまいます。
CES2012に出展していたものでは、Androidスマートフォンである富士通のArrowsもクアッドコアを採用しています。他にもAsusのタブレットや、クアルコムのスマートTVでも採用。いずれのAndroid端末もNIVIDAのクアッドコアプロセッサであるTegra3を採用しています。
そもそもクアッドコアとは
クアッドコアは、4つのプロセッサを搭載したCPUのこと。2011年のスマートフォンの主流はデュアルコア、つまり2つのプロセッサを搭載したCPUでした。iPhone4SのCPUもデュアルコアです。そのデュアルコアの倍、4つのプロセッサが搭載されたCPUがクラッドコア。これによってPC、タブレットやスマートフォンなどで更なる高速処理が可能になるのです。
クアッドコアは、4つのプロセッサを搭載したCPUのこと。2011年のスマートフォンの主流はデュアルコア、つまり2つのプロセッサを搭載したCPUでした。iPhone4SのCPUもデュアルコアです。そのデュアルコアの倍、4つのプロセッサが搭載されたCPUがクラッドコア。これによってPC、タブレットやスマートフォンなどで更なる高速処理が可能になるのです。
なぜこのようなことが可能なのかというと、「ボラックの法則」というものがあるためです。これは「CPUの面積が倍になると、性能は√2倍=1.4倍になる」というものです。これだけみると、面積を倍にしても1.4倍にしかならず、CPUの性能を向上させるには果てしなく大きくしていくことが必要になるように思えます。
しかし逆に言うと、「面積が1/2倍になっても、性能は1/√2倍 = 約0.7倍にしかならない」ということでもあります。
ここから考えると、面積1/2のCPUを2つ並べれば、1/√2倍+1/√2倍=約1.4倍、となるわけです。つまり、CPUに同じ面積を使うのであれば、小さいCPUを並べたほうが性能がよくなるわけです。当然、4つのプロセッサを並べればさらに性能は上がり、1つのときの約2倍の性能が出るわけです。
クアッドコアの可能性
○PS3級の性能を持つスマートデバイスの登場
ここから考えると、面積1/2のCPUを2つ並べれば、1/√2倍+1/√2倍=約1.4倍、となるわけです。つまり、CPUに同じ面積を使うのであれば、小さいCPUを並べたほうが性能がよくなるわけです。当然、4つのプロセッサを並べればさらに性能は上がり、1つのときの約2倍の性能が出るわけです。
クアッドコアの可能性
○PS3級の性能を持つスマートデバイスの登場
クアッドコアによって性能が向上すれば、例えば今まで専用ハードが必要だったゲームが、タブレットやスマートフォンで気軽に楽しめてしまいます。2014年ぐらいには、スマートフォンでPS3ぐらいの性能が出せる、という予測もあるぐらいですから。
○ビジネス上の戦略にも影響
もちろん、ビジネスでの利用可能性も広がります。例えばスマートフォン一台あれば、ディスプレイや入力端末を付属するだけでハイスペックなノートPCとして利用できたり、自動車にセットすれば個人の嗜好にあったドライブ・サポートをする高度な車載システムになるかもしれません。このため関連するメーカーやソフトウェアベンダーの戦略にも影響してくることになります。
○ナチュラル・インタフェースをより身近に
また、こうした高度な処理はナチュラル・インタフェースの機能を支えるものでもあります。例えばSiriのような言語解析や、顔認証システムなどは複雑な処理が必要になるため、クアッドコアのような高速処理の仕組みは必須なのです。
課題は消費電力量とコスト
ただし、このクラッドコアは消費電力が大きく、電池が持たないという問題がありました。しかし、先述のTegra3は省電力プロセッサーとなっており、電池の問題もかなりクリアになっているようです。しかしながら、長時間稼動が求められるケースなども出てくるでしょうし、電力少量をおさえることは今後も引き続き課題になるのではないでしょうか。
ただし、このクラッドコアは消費電力が大きく、電池が持たないという問題がありました。しかし、先述のTegra3は省電力プロセッサーとなっており、電池の問題もかなりクリアになっているようです。しかしながら、長時間稼動が求められるケースなども出てくるでしょうし、電力少量をおさえることは今後も引き続き課題になるのではないでしょうか。
また、当然ながらプロセッサ1つのシングルコアに比べればコスト高になります。これは端末価格に跳ね返ってきます。加えて、なんでもかんでもクアッドコアの高速処理が必要なわけではありません。ライトユーザであればシングルコアでも十分ですからね。実際、1万円で購入できる「ainol Novo Paladin」なども登場しています。端末の価格競争力を考えると、コストは課題になってきそうですね。もちろん、利用目的にあわせて端末を選ぶべきなので、価格競争力だけが問題ではないのですが。
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