2012年1月14日土曜日

CES2012閉幕 今年気になるユーザ・デバイス 3つのキーワードはスマートTV・タブレット・ウルトラブック


アメリカで開催されていたCES2012も1月11日に閉幕。ここ数日は新しいデバイスの発表が相次ぎました。情報もでそろってきたところで、多分このあたりが2012年のユーザ・デバイスのキーワードになるだろう、というもの3つを整理しておきたいと思います。ちなみにCESとはConsumer Electronics Showの略で、全米家電協会のこと。日本で言えばCEATECみたいなものでしょうか。


CES 2012 Las Vegas / JoeDuck


  スマートTV

スマートTVとは、インターネットに接続して利用する多機能型テレビのこと。テレビや新聞などのメディアでも大きく報じられました。特に注目なのはやはりGoogleとApple。今回のCES2012にはAppleは出展していませんが、多くのトピックをさらっているのは、やはりこの2社。

Googleからのサービスは「Google TV」。Googleとソニー、Intelの共同開発によるサービスです。そのハードウェア・パートナーとしてはLG、Samsungなどが名乗りを上げています。スマートフォンと同様、ハードメーカーとの連携を強めて、ユーザを囲い込んでいくんでしょうね。当然、Andoroidと連携したサービスも増えるので、Andoridを提供しているTV生産を行っているメーカーは、今後パートナーとなっていくのでしょう。

Logitech Revue with Google TV Screenshots / khelvan

Appleについてはいつもどおり、OSからハードまで自社で、という流れ。すでにApple TVはありますが、これはテレビに接続するタイプのもの。2012年中にもテレビそのもの「iTV」をリリースする見通しです。デバイス単体としてみれば圧倒的に強い(AndoridはOSであって、デバイスにするとXX社製等々わかれるので)iPhoneと、高い連動性のあるテレビとなれば、今後TVマーケットを席巻するかもしれません。

Apple TV (5) / ricardoalvarez

GoogleやAppleが展開するスマートTVの影響は、ハードだけでなく、テレビのソフト面でも大きなインパクトを与えることになります。少なくとも現在主流の電波放送は、インターネットコンテンツとも競争しなければならなくなります。また、インターネットを使うことで、一般個人やTV局以外の企業も番組を作って放送できるようにもなりえます。テレビをめぐる市場環境は大きく変わりそうですね。

ちなみに2011年に日本で話題となった3Dテレビはというと、3Dは単なる一機能といった位置づけになりそうです。




  タブレット

タブレットPCは2012年、さらに普及していきそうです。すでに米PNDの調査によると、2011年のモバイルPC(ノートPC、ネットブック、タブレット、ウルトラブックなど)の出荷台数のうち4分の1はタブレットPCになっているとのこと。ちなみにモバイルPC自体の出荷台数も31%増となっています。そんなタブレットPCのラインナップがCES2012でも多数登場しました。

このタブレット分野では2011年までは主にAppleのiPadとGoogleのAndoroid陣営の競争という様相でした。2012年はここにMicrosoftのWindows8が登場してきます。CES2012でもWindows8の端末が多数登場していました。

Lenovo Idea Tab S2


多くの企業で利用しているPCのOSはWindowsシリーズであり、今までの情報資産(文書ファイルなど)もWindowsベースで作成されていることが多いというのが実情です。iPadやAndoroidでは、そうしたWindowsで作成したファイルを適正に表示できないなどの問題があります。こういった背景をうけて、ビジネスユースを中心にWindows8のタブレットが今年は普及するかもしれませんね。

また、これに連動してWindowsPhoneも伸びるかもしれません。2015年にはスマートフォンOSのシェアがAndorido、Windows、iOSの順に成る、とIDCの予想もありますから。




  ウルトラブック

ウルトラブックとは、米Intelが提唱する薄型ノートPCのことで、以下の要件を備えているものを指します。
 ・ノートPCとタブレット の性能や機能を兼ね備える
 ・薄型軽量で洗練されたデザインである
 ・極めて高い応答性とセキュリティー機能を実現している

イメージとしてはMac Book Airですね。CES2012でも多数のウルトラブックが登場していました。注目はAsusやレノボ、Dell、Acerといったメーカーが発表している機種でしょうか。なんとなくMac Book Airに似ているのは、スマートフォンがどれもiPhoneに似てしまった現象を思い起こさせます。

Acer Aspire S5


特に注目なのはレノボのYoga。ノートPCとタブレットの性能と機能を物理的に実現してしまっています。ディスプレイが反対側まで回るので、あるときはタブレットとして、またあるときはノートPCとして使えてしまうわけです。

Lenovo Yoga

タブレットはどうしても入力・編集作業をするには億劫なところがありますので、業務で利用するPCとしてはウルトラブックのほうがスタンダードになってくるのかもしれません。



ほかにもスマートカーには注目が集まりそうです。EV・HVだけでなく、声で操作できるナビゲーション&オーディオシステム、Facebookが搭載された車などは話題になっています。しかしながら、今年2012年すぐにビジネスや私たちの生活に影響を与えるといったほどにはならなさそうです。2013、14年に向けて注目しておきトレンドではありますが。

なお、スマートTV、タブレット、ウルトラブックに関連して
 ・クアッドコア
 ・ナチュラル・インタフェース
 ・LTE
といったところはおさえておきたいキーワードになります。今年もお退きのユーザ・デバイスは登場しそうですね。

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