2012年1月9日月曜日

【ネタバレBookReview】ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則

ジェームズ・C. コリンズ,ジェリー・I. ポラス
日経BP社
発売日:1995-09
経営のテクニックではなく、

ビジネスを成功させるための要素をケーススタディから整理している。



経営者だけでなく、

組織のリーダー、またはこれからリーダーになる人は、

まずこういった思想をおさえることが必要。

そのうえで、自らの解釈をつみあげ、

自分のビジネス哲学を形成することが必要だと思う。



***以下、内容についての自分なりの解釈。****

前段の崩れた神話は興味深い。

整理すると。。。

・すばらしいアイディアが、すばらしい会社を作るわけではない

・偉大なカリスマが、偉大な企業を作るわけではない

・偉大な企業は、利益の追求を最大目標としていない

・固定化された『正解』は必要ない(何が正しいかは常に変わる)

・変わっていくべきものと、変わってはいけないものがある(基本理念は変えてはいけない)

・リスクをとらなければ成長はない

・よい企業は、理念を共有したものにのみ心地よい職場となる(理念を共有できなければよい職場にはならない)

・成功には必ずしも最初から綿密な戦略が必要ではない(あれこれ試して、必要なものを残すほうが大事)

・生え抜きの経営トップと、それを支える社内外の知見が必要

・競争に勝つことではなく、よりよい価値を提供することにフォーカス

・相反する事柄も、それらを超越した上位概念を見出し、全てを包含していくべき

・経営トップに必要なことは先進的発言ではなく、揺るがぬ基本理念にたった発言である







また、その上で定義される4つの要点は、経営に携わるものとしてその思想をおさえておきたい。

・ビジネスの時計を作る

何が起きる、どうなる、という予測も重要ではあるが、

そもそもビジネスをドライブする存在にならなければいけない。

組織をつくり、目標に向かって動かしていくことが必要。



・「AND」で考える

テーゼとアンチテーゼが出た場合に、

上位概念で纏め上げていくことが必要となる。

知識創造の基本的な考え方を持たなければいけない



・基本理念を維持する

社会において、何を実現するのか、何のために行動するのかを

明確にすることが必要となる。

単純な利益至上主義や売上至上主義は表層的な考えに過ぎない。

なぜなら、利益や売上げは、基本理念を実現するための

手段に過ぎないからだ。

また、利益は社会の評価を、

売上げは社会との接点を表す指標でもあるが、

それもまた一側面でしかない。

ビジネスの命運をかけた大胆な目標=BHAGを

基本理念から導き出し、

常に基本理念に向けて行動し続けることが求めらる。



・一貫性を追求する

BHAGを設定し、その達成に向けてカルト的に進んでいくことが必要。

このとき、とにかくためし、そして潔く捨てるものは捨て、

必要なものを残していくことが必要となる。

加えて、基本理念そしてBHAGの達成に向けて、

決して満足することなく、挑戦を続けなければいけない。