収益サマリー
2011年10月-12月期の売上高を見ると、金額はGoogleよりも大きく、Microsoftに迫る174億ドルという数字。伸び率についてはAppleほどとまでは行かなくても前年比35%増という水準。通年では売上高480億ドル、41%増となっています。
事業別に見ると、2011年10月-12月期の売上高は
メディア部門 : 60億ドル 前年比15%増
電気製品・雑貨部門 : 109億ドル 前年比48%増
AWS等その他部門 : 5億ドル 前年比59%増
となっており、各部門軒並み成長しています。
しかし、利益となると2011年10月-12月期で1億7700万ドル(利益率1%)、通年で6億3100万ドル(利益率1.3%)となっております。他のメジャーなIT企業に比べると極端に低い数字。Kindle Fireの投入によって開発、マーケティングの費用が膨らんだために利益が圧迫されたようです。2012年はコストの改善が重要トピックの一つになります。
注目トピックはKindleとAWS
マクロトレンドで見た場合、注目すべきAmazonのサービスは「Kindleシリーズ」と「AWS」でしょう。
まず、Kindle Filreを含む「Kindleシリーズ」は、Amazonの発表によると2011年の年末商戦で前年比2.8倍の売上。具体的な数字は発表されませんでしたが、米アナリストによると、2011年10月-12月期のKindle Fireの売上台数は600万台となっているとのこと。iPad2の販売価格499ドルに比べると半額以下になるKindle Filre(199ドル)となっており、手軽に利用できるタブレットとしてKindle Fireを購入する傾向があるのかもしれません。
このKindleシリーズの普及はAmazonの収益改善に貢献する可能性があります。なぜなら電子書籍自体には流通コストがほとんどかからないからです。販売数が増えればその分利益に還元しやすくなり、トータルのコスト改善につながります。収益性の観点からも、今後Kindleシリーズの積極展開は続くでしょう。
また、クラウドが普及し、一般化してきているという現状を考えればAWSは急速に成長していくと考えられます。単にクラウドサーバーのレンタルを行うだけでなく、付随するサービスも統合してきています。2011年10月-12月期では他部門とあわせて5億ドルにとどまっていますが、これはまだ成長の初期段階と捉えておいたほうがよさそうです。競合であるSalesForceやWindows Azureとの競争もこれからさらに激しくなっていくでしょうから。
関連URL)
Amazon Press Release