2012年2月11日土曜日

【Facebookの戦略を考える】まとめ: 広告+コマースのソーシャル・マーケットを創造 そのための資本戦略が直近課題



IPO申請で判明した財務情報と、書簡からみえてきた哲学を踏まえたとき、Facebookはこの先どのような戦略をとっていくのでしょうか。書簡に書かれていた
・開発者コミュニティ
・広告マーケット
・投資家基盤
の3つのキーワードをヒントに整理してきました。

Mark Zuckerberg, Hail Caesar! / DonkeyHotey


   3つのキーワードから見るFacebookの戦略




  まとめ: ソーシャル・マーケットの創造とその実現に向けた資本戦略
Facebookは現在の「8億人を越えるユーザ」という武器に加え、「開発者コミュニティ」という武器を得ようとしています。ユーザ数を武器に開発者のメリットを提供し、開発者がアプリを提供することでユーザのメリットを増やしていく。このサイクルによって、Facebookの「広告マーケット」としての価値、「開発者コミュニティ」から発展するソーシャル・コマースの場としての価値を高め、マネタイズの可能性を高めていくのでしょう。これがおそらくはIPO後のシナリオです。

しかし、「開発者コミュニティ」を広げるにも、「広告マーケット」としての価値を高めるにも先立つものが必要です。また、場合によっては“時間をお金高う”という発想、すなわち誰かが作ったものを買い取る=企業買収も必要になります。このため、まずはIPOを行い、500億ドルともいわれる資金調達を狙っていると考えられます。

このとき、もしFacebookが彼らの掲げた哲学どおり今後もビジネスを展開していくのであれば、ぜひともユーザーになり、開発者ネットワークに参加すべきでしょう。しかし、それは誰にも担保できません。事実としてあるのは、彼らには戦略があり、IPOによって戦略を遂行する力を得るということなのです。Googleと同じように、周囲にいる企業・個人(とくにビジネス上)は、それぞれの目的をもってFacebookと付き合うことが必要なのでしょう。