2012年2月1日水曜日

特化型SNSの一つの形=マッチング・サービスが増えてきた ただし利用には企業も個人も注意が必要

SNSが汎用型から特化型へとトレンドが動いてきている昨今、ある種の特化型SNSサービスとして増えてきているのがマッチング・サービスです。独立したSNSのような形態をとっていることもありますが、汎用型SNSを活用する形で“マッチング”を提供している場合もあります。割とお手軽に始めれれるサービスで、かつニーズももともと高い分野なので、提供者も増えているのでしょう。

Piotr shaking hands with local / sebas



  Facebook活用型サービス
Facebookを基盤に、独自のサービスを提供するスタイルが増えてきています。SNSの中に、さらに小さなSNSを作るイメージですね。Facebookユーザならば気軽に利用できることが特徴です。提供者側も、サービス構築の負荷を下げることができます。Open Graphがスタートしたので、今後さらにサービスのバリエーションは増えそうです。


願いを叶える「Wish Scope」 http://www.wishscope.com/
ザワットが提供する「Wish Scope」は、お願い事をしたいユーザーと、それを叶えることができるユーザーをマッチングするサービスです。有料のお願いもできますが、決算機能はないため当事者間で調整が必要になります。

基本的には
・興味のあるジャンルのコミュニティに登録
・コミュニティに対してお願い事を投稿
・お願い事にリアクション
とうのが基本的な流れ。他にも気になるユーザをフォローしておいて、お願い事が出てきたらすぐにサポートする、なんていうこともできます。


ランチを交流の場にする「ソーシャルランチ」 http://www.social-lunch.jp/
シンクランチが提供するのは、ランチタイムに社外の人など、今までつながりのなかった人とのランチをセッティングするサービスです。iPhoneやAndroidのアプリも提供されています。同僚(Facebookを利用していることが前提)などとペアを組んで参加することが必要となります。

サービスの流れは
・1日1回ソーシャルランチのセッティングが提案される
・参加者が同意すれば具体的な時間や場所を調整
・実際にランチミーティングをする
というのが基本。意外な人とお友達になれるチャンスになるかもしれませんね。


社会人と学生を結びつける就活支援「ヒルカツ」 http://www.hirukatsu.com/
オンザボード、K2、学生団体ジェネクトが提供するのが、就職活動支援のマッチングサービスである「ヒルカツ」。ソーシャルランチに近いイメージですが、こちらは社会人と学生を結びつけて、学生が気になる会社の話を聞ける場をセッティングすることが目的です。

Facebookアカウントさえあれば、学年は関係なく登録することができます。もちろん、社会人も企業を問わず登録可能。サービスの流れは
・学生は2人ペアを組む
・学生2人に対し社会人1人がマッチング
・社会人は同僚を誘うことも可
・場所と時間を決めてランチミーティング
といったもの。学生の就職活動だけでなく、企業側の採用活動にも活用できそうですね。とくに就職活動関連のサイトのオープンが10月1日から12月1日に後ろ倒しされるなど、制限も増えてきていますので。



  独立型マッチングサービス
Facebookなどの汎用型SNSを基盤とはせず、独自色を出しているのが独立型マッチングサービス。Facebookなど基盤になるSNSの方針に影響されない分、自由度は高いのが特徴です。ただし、ユーザとしては登録が手間であったり、提供者側もサービス構築の負担が大きかったりします。


一緒にがんばる仲間をさがす「モーコミワールド」 http://mowcomi.com/
「モーコミワールド」は、同時期に同じ事を始めた仲間とつながって一緒に成長していこう、というのがコンセプト。1月16日にα版をリリースしています。

現在はユーザ数が少ないため、掲示板程度の利用方法にとどまっています。順次機能拡張予定とのことなので、今後が楽しみですね。


ちょっとしたお仕事もお願いできる「ランサーズ」 http://www.lancers.jp
リートが提供する「ランサーズ」は、仕事とスキルのある個人をマッチングするサービス。いわゆる、クラウドソーシングというものです。仕事の内容は多種多様ですが、概ねインターネット経由で在宅でできる仕事がほとんど。

サービスの流れとしては
・ユーザ(スキルのある個人)は仕事の依頼に応募
・採用されたら仕事が発注される
・仕事をして成果物を納品
・報酬を貰う
というもの。1分程度で終わるものからあるので、ちょっとしたお小遣い稼ぎにやってみるのもいいかもしれませんね。



  マッチングサービスの可能性と注意点
マッチングサービスを利用することで、ユーザは今までにない機会を得ることが可能になります。
知り合いたくてもなかなか知り合えない人と話ができたり、チャレンジしたくてもチャンスがなかったことにチャレンジできたりするわけです。


またマッチングサービスが普及すれば、クラウドソーシング(またはソーシャルソーシング)といった形式のサービスも一般化し、副業する人も増えてくるかもしれません。スキルのある人材が一つの会社に拘束される必要はなく、チャンスがあればどんどんチャレンジできる環境になっていくことでしょう。


具体的には以下のような場面で役に立つサービスとなっていきます。人と人のつながり=人脈がものを言う場面、活用しがいのあるサービスとなるわけです。
・就職・転職
・営業・商談
・マーケティングリサーチ
・プロモーション・ イベント集客
・組織運営
・副業
・結婚・恋愛
・勉強


ただし、注意をしなければいけないのはマッチングサービスの利用ポリシーです。最初のきっかけ作りはするももの、実際に会う段階や契約をする段階では当事者同士での調整が必要になります。調整をするということは、その分トラブルが発生する可能性もあるわけです。極端な話、マッチングサービスはいろいろと問題を引き起こしている“出会い系”の仕組みと変わりません。

その点を踏まえれば、利用に当たっては十分な注意が必要なことは言うまでもないでしょう。どこまで手厚くサポートしてくれるのか、というのが今後増えるマッチングサービスを選ぶときの重要ポイントになりそうです。




  まとめ:マッチングサービスは今後も発展、ただし利用ポリシーに要注意
マッチングサービス自体は、SNSが普及することに比例してさらに広がっていくことになります。なぜなら、
 ・マッチングサービスはSNSで求められる“つながり”を作るきっかけとなる
 ・それはSNSユーザのニーズを叶えるものである
ため、多くの利用機会が提供できるからです。とくにFacebookなどの汎用型SNSを活用するタイプのサービスが圧倒的に多くなるでしょう。自社で一からサービスを作るのは、よほどの独自色を打ち出すことが必要であり、ニーズの多様化やその移り変わりのスピードを考えると実現できる企業が限られるためです。

しかしながら、当事者同士で調整しなければいけないことも少なくないため、トラブルが起きやすいサービスでもあります。利用にあたってはサイトの利用ポリシーに注意し、なるだけ手厚くサポートしてるサービスを選ぶことが必要です。逆に言えば、提供者側はサポートを手厚くすることが大きな差別化になるわけです。