日経BP社
発売日:2012-01-06
以下、要点と解釈の整理です。
ソーシャル・ラーニングの基本的な考え方
もっとも根本的な考え方は「船にのれ」です。サントリーの言葉を借りるなら「やってみなはれ」、Facebookの言葉を借りるなら「Done is better then parfect」です。ようするに、まずは取り掛かること、試すことが必要ということです。
そしてソーシャル・ラーニングは一人で行うものではありません。しかし、だれか仲間を探さないとできないものでもありません。普及し続けるSNSを利用し、つながりをつくっていくなかで、誰かとかかわりを持ちながら学んでいけばよいのです。これはビッグデータ時代で学びを重ねていくため(ビッグデータを手なづけるため)のアプローチともいえます。
ソーシャル・ラーニングの特徴
ソーシャル・ラーニングの特徴を整理すると、誰もが今の生活にアドオンして活用できる学びの機会であることが良くわかります。
・誰しもが利用できる
・大学の授業や研修と共存でき、シナジーを生む
・知識を詰め込むのではなく、経験を通じて学び取れる
そして今までよりも
・より多くの情報
・より多くの接点
・より幅のある広がり
を学びに提供するものでもあります。
このとき、学びのメカニズムを整理すると、学びの効果の大半を占める経験部分をソーシャル・ラーニングが補完することもわかります。
・70%は経験を通じて得られる
・20%は他社からの指摘によって得られる
・10%は知識を詰め込むこと(大学の授業や企業研修)で得られる
学びを、知識と経験により情報を取り込み新たな変革を生み出すもの、と定義するのであれば、ソーシャル・ラーニングが経験という側面から非常に高い学びの効果をもたらすことが期待できるわけです。
ソーシャル・ラーニングのアプローチ
ソーシャル・ラーニングのアプローチは、目的や利用するサービスによって多少違いがありますが、ポイントは変わりません。まず何より、楽しむこと。楽しくなければ継続することは困難です。
その上で、
・できることから始める(無理はしない)
・互いを歓迎し、敬意を払う
・情報を発信する
・相手からの情報に傾聴する
・シンプルに、わかりやすく
といったところを念頭に置き、特定のトピックスに対してソーシャルを通じてコミュニケーションを重ねていくことが必要になるのです。
また、ソーシャル・ラーニングの実施ガイドラインといて
・情報の透明性 : 参加者に対して情報が明確に伝えられること
・情報の保護 : 個人情報等の管理
・相手への敬意 : 互いの権利を守り、尊厳を守る
・責任範囲 : ツール利用は個々人の責任において利用する
・貢献・目的 : 何が得られるのか、何に貢献すべきなのかを明確にする
などを明らかにしてアプローチすることで、より高い効果を得ることが可能になります。