2012年2月6日月曜日

【Googleとのつきあい方】④「トレンドのバロメーター」として使う ⇒ ポジティブに利用できれば、勝てるビジネスに


Googleは「トレンドのバロメーター」としても利用できます。Googleの戦略をみていれば、今後のトレンドをある程度読むことができ、自社のビジネス戦略の参考にすることができるのです。

Charts / GrapeCity



  なぜGoogleからトレンドが読めるのか
“Googleからトレンドを読む”、ということは決して、“Googleの嗅覚が優れているからマネをしろ”、という意味ではありません。Googleがトレンドに影響を与えるポジションにいるため注意が必要、ということなのです。なぜなら、
 ・研究開発にも積極的(2011年の研究開発費は売上高の15%にあたる51億ドル)
 ・有力な技術やサービスを持っている企業の買収にも積極的
 ・すでに社会的な影響力を持っている
といった理由から、Googleは自らトレンドを作っていく力を持っているからです。もちろん、全てのトレンドをコントロールできる訳ではありませんが(だからこそ、帝国を狙っているのかもしれないのですが)、トレンドに十分な影響を与えていることは間違いないのです。


  Googleの動きを悲観的に捉えても戦略は生まれない
Googleがトレンドを作れる、という状況は、悲観的に見れば“誰かがビジネスのチャンスを失っている”、とも言えます。
 ・Googleが先にはじめちゃうので、顧客がいなくなってしまう
 ・せっかく顧客を作ったのに、Googleに奪われてしまう
 ・Googleのスピードには追いつけないので、後追いしても意味が無い
といった意見も出てくるでしょう。

しかし、これはGoogleと真っ正面から戦うことを前提とした場合の考え方です。客観的に考えれば、Googleと真っ向勝負ができるのは、AppleやIBM、Microsoftといったグローバルのビッグカンパニーだけです。ビッグカンパニーのリーダーが言うのならばわかりますが、例えば一国内のみで展開している企業、中小企業やベンチャー企業に必要な発想ではありません


  トレンドのバロメーターとして利用する
だからこそ、中小企業やベンチャーも含むグローバルに展開していない企業は、Googleを「トレンドのバロメーター」として使うべきなのです。つまりGoogleの活動を
 ・研究開発 → 今後登場する技術が何であるかを知り、利用に向けた準備をする
 ・買収 → 自社のビジネスで、どう活用するかを考える
 ・影響力 → ポジティブに影響している分野に便乗する
といった形で利用すればよいのです。とくに研究開発や買収は失敗のリスクも小さくありません。そのリスクをGoogleが取ってくれている、と捉え、その結果を利用させてもらう、という発想のほうがビジネスをしやすいのではないでしょうか。


  Googleの戦略を利用してビジネスチャンスに変える
さらに加えるならば、Googleはユーザ接点を広げることに注力しているため、個別分野の深堀は不十分です。“手軽”ではありますが、”本格的”に利用するには不向きなことが少なくないのです。ですので、
 ・Googleが切り開く市場をみておく
 ・その分野で本格的に利用する場合に求められるサービスを作る
 ・Googleのサービスでは不満がある顧客をつかまえる
というアクションを起こすことで、ビジネス機会を獲得できる可能性が高まります。もちろん、同様のアクションを起こそうとする、本当に競合となる他社とは競争しなければ行けませんが。


  Googleの“本格的”なサービスと競合したら要注意
なお、Googleが“本格的”にテクノロジーやサービスを提供している分野(検索エンジンやモバイルOSなど)では、この戦略はあてはまりません。ビッグカンパニーならば真っ向勝負も挑めますが、そうでなければ
 ・ターゲットや用途を絞り込んで、戦う市場を別に設定する
 ・常に新たな市場開拓を図る
 ・スピーディーにビジネス展開する
ことが必要になります。Googleの“本格的”なサービスが手をつけていない領域を狙っていくのです。

とくにスピードは大事です。アイディアを見つけたのならすぐに動き出せる、数ヶ月以内にサービスを始められる、といったスピードがなければいけません。安穏とやっていたら、Googleがやってくるからです。稟議書などまわしている時間はないかもしれません。