2012年2月10日金曜日

【Facebookの戦略を考える】投資家基盤 ⇒ 開発者コミュニティと広告サービス拡大の地盤固め


Facebookの戦略。3つ目のキーワードである「投資家基盤」について考察していきたいと思います。
・広告マーケット
・投資家基盤

Cash / BlatantWorld.com


  投資家基盤は資金調達の仕組み ⇒ 鍵を握るのはその投資先
投資家基盤は、資金調達の仕組み、ということでしょう。更なる成長に向けて、研究開発や企業買収を行うための資金を調達するための基盤ということだと考えられます。

ここで大事なことは、どうやって資金を集めるかではなく“何に投資するか”です。投資するものが何であるか、それが企業の成長、そして投資家に対するリターンにつながるかが明確であれば、おのずと資金は集めることができるからです。


  SNSのサービス強化への投資 ⇒ 特化型SNSの買収可能性あり?
ではいったい何にFacebookは投資をしていくのでしょうか。当然、純粋にSNSとしての品質を向上させ、ユーザが利用するサービスを拡充していくことが考えられます。


そのひとつの可能性は最近のSNSのトレンドから推測できます。つまり、特化型SNSの買収が考えられるのです。Facebookがソーシャルをコンセプトに掲げていることもあり、SNSを展開する企業とは親和性が高く、ビジネス上の相乗効果が期待できます。ユーザとしてもFacebookを利用しながら個別のニーズをかなえてくれる環境ができるため、メリットがあります。すでに位置情報系SNSのGowallaを買収した実績もあるため、優良な特化型SNSの買収は十分に考えられるのではないでしょうか。


  膨大なデータを活かすための投資 ⇒ アナリティクス関連への投資可能性あり

もうひとつの可能性はアナリティクス関連サービスへの投資です。すでにGoogleやTwitter、IBMなどもアナリティクス関連の企業買収を行っています。これと同様にFacebookもアナリティクス関連のサービス強化のため、企業買収を行っていくと考えられます。なぜなら、Facebookは直接的にユーザの日常の情報を、膨大に保有しているからです。この情報を分析して出てくるデータは、マーケティング上非常に価値の高い情報になるのです。


  Open Graphの延長上での投資 ⇒ IOT関連のサービスへの投資も?
他にも、ソーシャルと連動性が高く、「Open Graph」の延長線上で考えられるIOT(モノのインターネット)関連のテクノロジーやサービスを提供する企業が考えられます。単純に「Open Graph」を利用したアプリの開発基盤を提供する企業も買収対処になりえるでしょう。


  他の戦略との関係性 ⇒ 開発者コミュニティと広告マーケットの基盤としての位置づけ
いずれも可能性の話ではありますが、ソーシャルを軸に開発者コミュニティを広げ、広告サービスの可能性を高める投資を積極的に今後行うことになると予想できます。そのために投資家基盤を確立することを重要視しており、今回のIPOにいたったのでしょう。