2012年2月21日火曜日

なんだかんだで日本の通信環境は世界的に見ても高水準 ⇒ むしろそのインフラにのせるサービスに競争力がないほうが課題


NTTドコモやauで発生した通信障害が話題になっていますが、そもそも日本の通信環境は世界に比べるとどの程度の水準なのでしょうか。障害発生率まではわかりませんが、通信速度についてはアカマイが最新情報を発表しました。日本の通信環境は世界でも有数のようです。

/ Selva Manfredini


  国別の通信速度ランキング
まず、国別の平均接続速度ランキングを見ていくと、平均接続速度では日本は3位。グローバル平均2.7Mbpsに対して、8.9Mpbsと3倍程度の速度になっています。

また、平均最高接続速度では4位。こちらもグローバル平均が11.7Mbpsであるのに対し、3倍近い32.9%となっています。

いずれも東アジアの国が上位に入っていることが特徴です。


  都市別の通信速度ランキング
都市別の平均接続速度で見ると、韓国と日本の都市で占められてしまいます。このうち、日本の最高ランキングは、茨城県下妻市となっています。

平均最高接続速度では下妻市は3位に浮上、トップテンに日本の7都市がランクインしています。日本語の都市の表記が、市区町村単位なのか、エリア単位なのかわかりにくいですが。



  安定して高速な日本の通信環境
日本での5MB以上の高速通信接続は、5位に当たる57%。グローバル平均が29%ですので、倍近い数字となっています。

こうした数字を見ていくとNTTドコモやauで通信障害は発生しましたが、日本の通信環境は世界的に見ても高い水準にあるといっていいでしょう。しかし、それはあくまでもICTインフラの話。平成22年版 情報通信白書でも触れられていますが、こうしたICTインフラを活用したICTサービスの分野では競争力の高い水準にあるとはいえません

事実、私たちが利用しているスマートフォンもSNSも検索エンジンも、海外からやってきたものが主流となっています。もちろん、部分的に日本の企業は関わっていますが、主体者はGoogleやAppleなどの外資の企業。

こうした世界的にも高水準なICTインフラの上に、競争力の高いICTサービスを構築することが企業の命題となっているわけです。そしてそれは海外のまねではなく、日本の“よさ”を活かしたものであるべきです。この“よさ”が何であるのかがよくわからなくなってきている、という問題がもう一方で存在しているのですが。


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