2012年2月22日水曜日

【ネタバレBookReview】キュレーション 収集し、選別し、編集し、共有する技術


スティーブン・ローゼンバウム
プレジデント社
発売日:2011-12-20
膨大な情報の中から、価値のある情報を生み出すための考え方である「キュレーション」について解説された本。このキュレーション自体は、ビッグデータに対するアナリティクスで必ず必要となる考え方なので、今後のトレンドを考えれば是非押さえておきたいところ。ただし、この本自体は要点がつかみにくい感があるので、最初に巻末の結論と解説を読んでから、中身を読んだほうが理解しやすそうです。

以下、解釈と要約です。


  キュレーションとは ⇒ 収集し・整理し・まとめること
情報を収集(アグリゲーション)し、それを整理して、まとめて、共有するための技術のこと。アグリゲーションは、いわば今までのインターネットの検索サービス。

情報を集めて、検索できるようにしてきました。しかし、SNSの登場により情報量が膨大になってビッグデータと呼ばれるようになった今、情報を検索できるだけでは“どれが自分にとって意味のある情報なのか”を判別することも難しくなります。

そこで必要となるのがこのキュレーションです。アグリゲーションされた情報の中から、必要な情報を選別し、情報の受け取り手・利用する側がわかりやすいカタチにして提供するのです。まさにビッグデータに対するアナリティクスの根幹を担う考え方です。


  キュレーションが生み出すもの ⇒ 新たなコンテンツ
キュレーションは既存のコンテンツから新しいコンテンツを生み出すことを可能にします。なんでもないありふれた情報も、キュレーションによって価値を得ることがあるのです。

例えばSNS。SNS上の情報は個人個人が、思い思いに発した情報であり、個別の情報にはあまり高い社会的価値はありません(一部例外はありますが)。しかしながら、例えば増税の問題に関してTwitterやFacebookに投稿されている情報をまとめたらどうなるでしょうか。それは一つの世論として意味を持つものになるのです。この“まとめ”こそがキュレーションによって生み出された新たなコンテンツです。


  キュレーションは誰が行い、使うのか ⇒ 全ての人
キュレーションを使うことになるのは、これから先生きている全ての人が行う可能性があり、全ての人が利用することになるでしょう。
・一般市民 : 
キュレーションで利用する情報をSNSを通じて発信し、キュレーションの結果をサービスとして受け取る

・企業 :
キュレーション自体をサービスとして提供する、キュレーションの結果によりサービスを創る・向上させる

・市民のリーダー :
キュレーションのキーになる情報を発信し、社会に影響を与える