2012年2月9日木曜日

【Facebookの戦略を考える】開発者コミュニティ ⇒ 「Opne Graph」で連携するアプリを大量確保

IPO申請したFacebook。彼らは今後どういった戦略を取るのでしょうか。IPO申請の際に投資家に当てて書かれた書簡の3つのキーワードから、まずは「開発者コミュニティ」について考察していきたいと思います。
・開発者コミュニティ
・広告マーケット
・投資家基盤

Pair programming / Berto Garcia



  開発者コミュニティの狙いは? ⇒ 「Open Graph」のアプリ・ネットワーク
開発者コミュニティとは、間違いなく「Opne Graph」を展開し、「世界をよりオープンし、そしてつながったものにする」というコンセプトを実現すること狙っているのでしょう。

このとき、ポイントとなるのは
「Opne Graph」と連携するアプリをどれだけ増すことができるか
にあります。


  どうやって形成するか? ⇒ ベンダーメリットを創出
アプリをFacebook自らがすべて開発することは物理的に難しいでしょう。そうなれば、アプリ開発者に明確なメリットを与えてアプリを提供してもらう、ということが選択肢に入ってきます。つまり、開発者コミュニティを形成することになるのです。
・Facebookの知名度とユーザネットワークを武器に
・アプリベンダーに開発環境=「Open Graph」を提供し
・事業機会を求めているベンダーを広く集め(開発者コミュニティを作り)
・たくさんのアプリをベンダーから提供してもらう
というとろが狙いになります。

これをより確実にする仕組みとして、手数料を徴収するための「Facebook Payment」(取引の30%を手数料として徴収)が用意されていますし、eBayとも提携してソーシャル・コマースのプラットフォームも構築しようとしています。仮にアプリ提供者としては30%の手数料を徴収されたとしても、Facebookの8億人を超えるユーザは非常に魅力的です。マーケティングコストを考えれば、ベンダーにとって十分に収益獲得の可能性があるわけです。

すでにFacebookにゲームアプリを提供しているZyngaは、Facebookの収益に大きく貢献しています。2011年のFacebookの売上高の12%にも達しています。この数字を見て、一攫千金を狙って開発者コミュニティに参加してくるベンダーも少なくないでしょう。


  リスクは? ⇒ 開発者コミュニティのポリシー設定
今後「Open Graph」のアプリが広がることを考えると、ひとつリスクがあります。アプリケーション内での課金が可能になっているため、日本国内のソーシャルゲームで問題にされているような、“過剰に有料アイテムの購入を行ってしまう”という事態を引き起こしてしまう可能性があるのです。アプリが「社会の価値」につながるように、開発者コミュニティに対して、アプリ開発、とくに課金のポリシーを明確に打ち出すことが今後求められるでしょう。