2012年2月20日月曜日

いまだIE6を使う企業38.6%、SNSも利用制限 ⇒ 目隠しでビジネスするようなもの??保守的なIT管理は競争力低下に


SNSが普及し、ビジネスでの利用を検討する企業が増えている昨今。しかし、実際には社内からSNSに接続できない、なんていう企業もあったりします。そんな実態がわかる調査結果が、Web広告研究会から発表されました。Webサービスに関わるのであれば、考慮に入れておきたい情報です。また企業の情報システムに関わる方々にも、ぜひ認識していただきたい内容です。

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  38.6%はIE6以前のブラウザを利用
Internet Explorer(IE)の最新バージョンは2012年時点でIE9(2011年リリース)。
現在は、CromeやFirefoxなどをブラウザとして利用している人も増えてきています。しかし、企業の実態はというと、2001年にリリースしたIE6、またはそれ以前のバージョンを利用しているケースが38.6%にもなっています。IE7を利用しているユーザを含めると52.3%にのぼります。
当然、10年以上前のブラウザですので、一部のインターネットコンテンツには表示されません。IE7についても動作保障をしていないコンテンツもあるわけです。企業ユーザの半数程度が最新のインターネットコンテンツを利用できていない、というのが実情のようです。


  減少傾向のアクセス制限、63%の企業で実施
不適切なサイトへのアクセス制限は63%の企業で実施しています。2005年時点から見ると、アクセス制御をする企業の割合は減ってきています。
この背景には
 ・企業ユーザのインターネット・リテラシーの向上(セキュリティなどの教育が行き届く)
 ・インターネットへのアクセス制限による弊害(業務に必要な情報が手に入りにくくなる)
といったことがあげられます。


  SNSの利用制限も10%強、動画サイトやストレージサイトはより厳しく制限
Webサービス別のアクセス制限を見ていくと、もっともアクセス制限がかけられているのが2ちゃんねるで31.4%。これは2ちゃんねるの持っている特性によるものでしょう。

次にアクセス制限がかけられているのがストレージ・サービス。ドロップボックスが33.3%、エバーノートが30.7%、宅ファイルが23.5%の企業でそれぞれ制限をかけられています。これは社内の機密情報を社外に持ち出させないようにする、情報セキュリティポリシーからの対応でしょう。

動画サイトもYouTubeが26.8%、ニコニコ動画が34.6%、Ustreamが25.5%と制限する企業が多くなっています。これは業務に直接関係ないと判断され、“サボり”の原因と判断されて制限しているのでしょうか、

FacebookやTwitter、個人ブログなど、いわゆるSNSといわれているサイトは比較的支持を得ているようですが、それでも利用制限している企業は10%程度あります。なお、MixiとGreeは20%程度と制限する企業は多め。これはFacebookやTwitterはビジネスはビジネス向けMixiやGreeはプライベート向け、という識別がされているのかもしれません。


  インターネットに対する自由度の差は、企業の競争力の差になる
インターネットの日本国内の普及率は90%に達し、ビジネス上も重要な情報収集・発信手段となっている現在。今後ビッグデータのトレンドによって、さらにその重要度は増してきます。当然、多くの新しい情報もインターネットから生まれ、価値あるサービスが提供されることになるでしょう。2012年のトレンドで考えれば、SNS(ソーシャル)を利用し、ビジネスに活用することが求められています。

そういった背景を踏まえたとき、IE6以前のブラウザを現在も利用している企業やSNSの利用制限を行っている企業は今後どうなるでしょうか。これは目隠しをしてビジネスをするようなものです。企業の経営資源のひとつでる“情報”という側面で、大きく競合他社に後れを取ることになります。情報が少なくなれば、発見できる問題も、創造できる新しい価値も少なくなります。つまり、他の企業に対する競争力を発揮できなくなってしまうのです。

ウィルスのリスク、情報漏えいのリスク、個人方法管理のリスク、企業内モラルのリスクなどなど、インターネットを自由に使わせることにはリスクはあります。しかし、何もせず、凝り固まることが最大のリスクです。これからのビッグデータ時代の社会では、保守的な情報システムは価値を生まないのです。もうすでに企業の情報システムの考え方、改める時期は来ているのです。