スマートフォンが普及し、LTEサービスもスタートしている影で一つの時代が終わりました。NTTドコモは2012年3月31日を持ってmovaのサービスを終了させました。
movaとは ⇒ 一世を風靡した第2世代携帯電話
NTTドコモが提供していたmova(ムーバ)は1993年からサービスを開始した第2世代携帯電話。携帯電話で電子メールができたり、インターネットができたりと、今では当たり前のことを実現したのがこのmovaでした。このmovaのサービスの中でiModeも誕生したのです。
しかし、時代は進み、第3世代のFoma、そして第4世代であるxiも登場しています。通信速度を見ても、movaの第2世代が登場した1993年時点ではわずか2kbps。これに対しxiの第4世代では100Mbpsと雲泥の差。技術的に見ればもはや骨董品の領域になってしまっているのです。
movaサービス終了で全体の0.3%、20万ユーザに影響 ⇒ 利用継続にはFOMAへの切替が必須
2012年3月現在、movaの契約件数は約20万件。NTTドコモの2012年1月現在の契約者総数が約6千万なので全体の0.3%のユーザが該当します。0.3%という数字だけ見ると、影響は少なそうですが母数が多い分、実態としてはかなり影響を受けるユーザがいます。
このmovaを2012年3月時点で契約していたユーザは、4月1日から解約扱いとなるとのこと。movaから電話しようとしても、つながらなくなっています。Fomaに移行する場合には機種代金をほとんど負担せずに切替ら得れるようになっています。
movaサービス停止の意義は? ⇒ 空いた帯域で増え続ける情報通信量に対応
このmova停止、ユーザも大変ですがNTTドコモサイドも楽ではありません。クレームが発生する可能性もありますし、機種変更のサポートを行う費用も発生します。しかし、NTTドコモにとってはそれでもmovaを終了させることにメリットがあるのです。それは何か。まず一つは、ユーザ数が少なくなり、収益性の乏しくなったmovaを終了させることでコスト負担を軽減することができます。簡単に言えば、movaはやるだけ赤字になる可能性があるのです。この赤字拡大を防ぐ、という点でまず大きなメリットがあります。
そしてもう一つは帯域の確保です。movaもいわゆるプラチナバンドと呼ばれる帯域を使用しています。現在、NTTドコモは2011年後半から相次いだ通信障害を受けて、膨れ上がるデータ通信量に対応するためにインフラ強化に追われています。しかし、通信帯域には限りがあります。そこで、movaを終了させてスマートフォン用に帯域を確保していく、ということが必要になるのです。
まとめ:携帯電話は程ほどに新しくしたほうがいい
今回のmovaの終了から一つユーザサイドに学びがあるとすれば、それは“いつまでも古い携帯電話を使い続けても、あまりメリットがない”ということかもしれません。料金プランでは多少メリットがあるかもしれませんが、サービスを打ち切られることもありますし、利用できるサービスにも制限があります。携帯電話のサービスを安定して利用するには、ほどほどのタイミングで、少なくとも2~3年に1度くらいの頻度でそのときの主流のサービスに乗り換えておいたほうがよさそうです。ゆえに携帯の支払いプランも2年縛りになっているわけですので。