2012年5月7日月曜日

大きな変化を迎えるゲーム業界① ⇒ ハードの進化でソフト開発コスト高騰

任天堂が初の営業赤字となった反面、ソーシャルゲームのDeNAやGreeが業績を伸ばしています。日本のゲーム業界はソーシャルゲームへと大きくシフトしていくのでしょうか。どうやら、それほど簡単な図式にはならないようです。

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  任天堂赤字の根本的要因 ⇒ 進化しすぎたハードとスマートフォンの影響
これまでゲーム業界を引っ張ってきた任天堂は2012年3月期で上場以来初の赤字に転落。ハード・ソフトの販売不振、円高為替といった表面的な赤字要因の背景にあるのは、
 ・ハードの進化
 ・スマートフォンの影響
の2つが考えられます。この2つの要素は、任天堂だけでなく既存のゲーム業界の主たるプレイヤーには少なからず影響を与えています。また、ユーザサイドで見えれば、もともとあまりゲームをしていなかった人たちも含めて、広く影響を与えることになっています。まずは、ハードの進化について整理してみたいと思います。


  ハードの進化 ⇒ ソフト開発コストの高騰へ
ゲーム機がより高度な処理を可能にしてきてきており、文字通りハードとして進化をしています。ハイビジョンで描かれる映像、3Dに対応した機種、体の動きに反応する直感的な操作など、ファミリーコンピュータが登場した1983年からは想像もできないほどに進化しました。

この進化はユーザに新しい驚きと感動を与えるものであったことは間違いありません。美しい映像と迫力のあるサウンドは、ゲームの世界にユーザを引き込むものでした。結果として、新型ハードを投入すれば、ハードも売れ、ゲームソフトの可能性を広げ、ユーザが新しい体験ができ、結果として全体の売上げが底上げされる、という図式があったのです。

しかし、それは同時にゲーム開発者側の負担を高めることにもなったことは否めません。高度化するハードにあわせて映像を作るためには、多くの時間がかかります。時間がかかるということは、人件費がかかるということであり、開発コストが膨らむということになります。専用の機材が必要になるケースも少なくありません。このため、最新のゲームの開発コストは、場合によってはハリウッド映画1本分に匹敵するとも言われています。