いよいよ明日2012年5月21日に迫った金環日食。前回日本で金環日食が観測されたのは25年前、1987年9月23日の沖縄以来。本州で観測できるのは実に1883年10月31日から129年ぶり。そしてこのチャンスを逃すと、次に日本で観測できるのは18年後の2030年6月1日の北海道。これは天文ファンならずともチェックしておきたいところ。観測グラスを用意したら、次はITも駆使して準備しましょう。
アプリ「金環日食2012」 ⇒ どこで観測できるか事前シミュレーション
金環日食を鑑賞するiPhoneユーザーにオススメのアプリが「金環日食2012」。このアプリの主な特徴は3つあり、
・観測できるエリアがわかる
・どのように日食が見れるかがわかる
・ARを使ってシミュレーションができる
というもの。しかも位置情報と連動しているため、自分が観測する場所でどのように見えるのかを事前にチェックすることができるのです。これで観測しようと思っていたら、うっかりビルの陰に隠れていた、なんてこともないはず。5月21日の朝、観測場所を探すならこのアプリを入れておけば万事解決です。ちなみに無料です。
万が一見えなかったら? ⇒ インターネットでバーチャル鑑賞
せっかくの金環日食ですが、5月21日の予報は曇り。もしかしたら見えないかもしれません。10年前だったら「残念」の一言で片付けていたでしょう。しかしながら、現在は違います。もし自分の肉眼で鑑賞できなかったとしても、インターネットでの中継があるのです。
パナソニックは今回の金環日食にあたり、Eclips Live From FUJIYAMAというプロジェクトを実行。富士山の頂上から日食をインターネットで中継します。中継の開始時間はam4:30から。鑑賞は無料です。日本一の山から、世紀の天体ショーが楽しめます。
市民グループ「明石日食中継プロジェクト」も、明石市立天文科学館と共同で動画配信を行う予定。日本の子午線のある街からみた金環日食を配信。
また、YouTubeを運営するGoogleも、国立天文台・産経新聞社・TBSのYouTubeチャンネルよりLiveでストリーミング配信を行う予定です。
金環日食は企業PRチャンス ⇒ 企業の思惑あれど、世紀の天体ショーを楽しもう
今回の金環日食、日本では25年ぶり、本州では129年ぶりというイベントということもあり、非常に高い注目を集めています。当然ながら企業はこの活動をただ鑑賞しているわけではありません。企業によってはCSR的なアプローチで企業PRを行うチャンスであったり、特需を得るチャンスになるからです。
例えば、今回のパナソニック。富士山頂からの金環日食の中継は非常に注目が集まりますし、貴重な映像を配信することになるので社会的意義は高いといえます。ここでポイントになるのが、パナソニックは自社のソーラーパネルによる電力発電のみで今回の中継を行う、ということ。今後、スマートシティ事業を展開し、太陽光発電システムなどの販売を展開していくにはとてもよいPRの場になるわけです。Googleについても同様。YouTubeを使うことで、世界中どこにいても金環日食を観測できる環境を提供します。これはYouTubeの存在感をさらに増すことにつながり、ひいてはGoogleの広告戦略に貢献するものになるでしょう。
特需という意味では、言うまでもありませんが観測用のグラスを作っているメーカーは恩恵にあずかるところが大きいはず。また、観測用グラスを取り扱う小売店にとっても、ちょっとした売上げ拡大のチャンスになっています。実際、観測用グラスはコンビニにも置かれて売り切れている状態。たった1回、数分間のためですが、そうめったに見られるものではないとなれば、1000円~2000円程度の出資を惜しまない消費者も少なくないわけですから。
他にも金環日食を観測するためのイベントを開いている企業も多数あります。とはいえ、いろんな企業の思惑があろうとなかろうと、金環日食が貴重なイベントであることは変わらぬ事実。純粋に世紀の天体ショーを楽しみましょう。
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