ソーシャル・バブル化しているソーシャルゲーム。多くの事業者が集まってきていることは間違いありませんが、現実として全ての事業者がたっぷりと儲かっているわけではありません。
ソーシャルゲームを提供する人たち ⇒ 数多くの職種と、人数が必要
ソーシャル・ゲームを開発するには、事業体としてみればプラットフォーム提供を行う事業者と開発を行う事業者の2つしか見えません。しかしながら、実際には多くの人たちが関わっています。そして内容が高度になればなるほど多くの関係者が必要にあります。ざっと考えるだけでも、
・プロジェクト・マネージャー
・クライアント(端末)側のエンジニア
・サーバー側のエンジニア
・デザイナー
・ミュージシャン
・シナリオライター
・マーケティング担当者
・オペレーション担当者
といった職種の人たちが参加することが必要になります。もちろん、内容によっては職種ごとに10名、20名と人数を確保することが必要に担ってきます。またこれは開発するだけであり、この上位にプラットフォーム提供者の組織が存在しています。
ソーシャルゲームの開発 ⇒ 下請け構造で二極化に
となると出てくるのは下請け構造。なぜなら、こうした人材はゲームを開発したり運営したりするタイミングでのみ必要であり、必ずしも人材として企業が抱え込む必要はありません。例えば、
・お金を持っている企業 ⇒ プロジェクトマネジメントをする会社に発注
・プロジェクトマネジメントをする会社 ⇒ システム会社に開発を発注
・システム会社 ⇒ 個別のプログラミングをプログラマー派遣の会社に発注
・プログラマー派遣の会社 ⇒ 個別の作業をプログラマーに発注
という構造が出てきます。
当然、それぞれが売上げを中抜きしていく構造になるので、末端のプログラマーの収入はソーシャル・バブルとは言えども大きな金額にはなりません。むしろ、長時間の稼働を強いられ、労働時間あたりの収入はかなり少なくなってしまう可能性もあります。反面、元請の会社は高い収益性を少ない労働力で得ることが可能になります。その結果、ゼネコン構造が出来上がり、二極化していくのです。
末端労働者は儲からない? ⇒ 新しい働き方で解決を
結局のところ末端労働者になるプログラマーなどは儲かりにくい構造になりそうです。しかしながら、視点を変えればチャンスは存在します。ソーシャル・ゲームに使えた技能は、ゲームに限らず今後のWebアプリの開発に利用可能です。
そのスキルを利用して、アイディア一つで収益チャンスがあるアプリ開発に乗り出す、というのも一つの手です。また、ソーシャル・マッチングの仕組みをつかって、自分の作り上げたリソースを再活用して収益にすることも可能でしょう。“仕事を請けて、こなして、収益を得る”という働き方から、レバレッジを効かせて“仕事を請けて、こなして、できた資産を再活用して、さらに収益を得る”というところまで発展させることができれば、単なる末端労働者ではなく、自分のポジショニングを明確にして収益を得られるプロフェッショナルになれるのではないでしょうか。