2012年5月24日木曜日

携帯電話の人口普及率100%突破 ⇒ 通信とデバイスの中心的キーワードは“モバイル”


日進月歩のユーザ・デバイス。PCやスマートフォンは、もはや仕事にもプライベートにも欠かせないツールとなってきました。今後、さらに普及が進むことが予想され、あらたなトレンドを生み出していきそうです。

Kartik Malik

  携帯電話の人口普及率100%突破 ⇒ モバイル高速通信が社会インフラに
2012年5月18日に総務省が発表した「電気通信サービスの加入契約数等の状況」によると、2012年3月末時点で 携帯電話の国内契約数は1億2820万件。携帯電話の契約者数が初めて人口を上回り、人口普及率は100.1%となりました。このうち、第3世代以上(LTEなどの3.9世代含む)の携帯電話が占める割合は99.96%となっています。。

また、IP電話の契約者数は2848万人で前年同月比10.4%。この背景にはスマートフォンの普及があるでしょう。IP電話アプリも多数登場しています。厳密に言えばこの総務省の統計対象から外れてしまうのでしょうが、例えばLineの国内ユーザ数は2012年5月時点で1600万人(世界では3500万人)を越えています。

これに対して固定電話・ISDNの加入者数は2012年3月末で3595万人、前年同期比9%減。

こうした状況を踏まえるに、日本国内の主要通信インフラはモバイル高速通信に移ってきていることは間違いないでしょう。すでに第3.9世代サービスがスタートしていることなども踏まえると、今後の通信の主役はモバイルといってよさそうです。


  個人を中心にPC出荷台数も増加 ⇒ 低価格化で身近になるPC
2012年5月10日にMM総研から発表された「2011年度国内パソコン出荷概要」によると、国内パソコン出荷台数は前年度比5.0%増の1529万4000台となりました。このうち個人向けが7.0%増の788.4万台。法人向けが3.0%増の741万台。一方で出荷金額は1兆1272億円で前年度比11.5%減。

出荷台数増となりながらも、出荷金額が減少するというパラドックスが生まれている背景には、メーカーの価格競争・コスト競争が激しくなっていることがあげられます。また、モバイル通信環境がそろってきたことから、クラウドベースで作業をするユーザも増えており、PC自体のスペックを極端に高くする必要もなくなってきました。とくに個人であれば、Webブラウザが動けばたいていは事足りてしまいます。したがって、それほど高価なPCを購入する必要もなく、利用目的にあった“手ごろな”PCを購入するようになってきていると考えられます。メ

今後はWindows8のリリースやウルトラブックの進展などが考えられ、2012年中はさらにPC出荷台数は伸びることが予想されます。ただし、その先はPC出台数が堅調に伸びていくかどうかは単純には語れなくなるかもしれません。タブレットやスマートフォンが高性能化してくること、クラウドサービスが充実してくることで、PCという形態のデバイスの必要性が下がっていってしまう可能性も否定できないからです。もしかしたら、PC、タブレット、スマートフォンといったデバイスの整理の仕方自体が無意味になるのかもしれません。


  まとめ:通信もデバイスもモバイルが中心に
通信インフラは携帯電話・スマートフォンが普及していくことにあわせて、間違いなくモバイルが主役となります。それは一人ひとりにダイレクトに情報がつながる環境が整備されることを意味します。そこで必要になってくるデバイスは、当然モバイルに対応したもの。PCについてもモバイル対応することが前提となっていくでしょう。しかしこのとき、Webの閲覧とメールなどのちょっとした文章入力程度の利用であれば、必ずしも従来型のPCである必要もありません。モバイルに適応したスマートフォン、タブレットが中心的存在になるのだと考えられます。


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