2012年5月17日木曜日

センサー技術の集合体、Google自動運転カーに公道免許 ⇒ 技術発展には社会的サポートが必要


auからは2012年夏モデルの携帯を、Facebookはモバイル向けのUIの変更を発表し、文字通り日進月歩で変わり続けているICTサービス。今後も更なる進化が期待されます。しかし、どういった形に進化していくのでしょうか。それを考えるためには要素となるテクノロジーを押さえることが有効です。とくにO2O(Online to Offline)やM2M(Machine to Machin)、IOT(Internet Of Things)といったトレンドキーワードを押さえるためには、センサーのテクノロジーを見ておくことは必要不可欠です。


  Googleが自動運転カー開発 ⇒ センサー技術で夢の自動運転カーも手の届くところに
夢の技術の一つといわれていた車の自動運転。センサー技術の発展で、もはや実用化は手の届くところまできています。実際にGoogleはトヨタのハイブリッドカー プリウスにビデオカメラやレーダーセンサーなどを設置し、自動運転ができる車を2010年より開発中。2012年5月にはアメリカ・ネバタ州にて行動を走るための免許を取得し、今後ネバタ州にて実証実験を重ねていく段階まできています。


  自動運転のセンサー+分析+処理の複合技術 ⇒ ドライバーサポート機能としての段階提供も?
この事例で注目すべき点は2点。一つは車に設置しているセンサーの精度。道路の交通状況、車の前後左右の状況、道路標識などの情報を感知し、分析し、運転プログラムにフィードバックするところまでが瞬時に行えているわけです。もちろんまだ完璧ではないのですが、実証実験を経てブラッシュアップされ、実用化されていく可能性は高いでしょう。いきなり完全自動化はできないまでも、ドライバーのサポート機能として段階的な提供は十分に考えられます。すでにマツダのアイサイトなど衝突防止のセンサーシステムは実用化されていますので、現存技術を発展させる形、たとえばスマートフォンを利用した形態で提供されていくことでしょう。


  ネバタ州の免許交付 ⇒ 行政サイドの支援も技術発展の必要要素
もう一つ注目すべきポイントはネバタ州の対応。開発・実験は行ってきているとはいえ、自動運転カーに公道を走らせることは事故を招くリスクをはらみます。自動運転のプログラムにバグがあれば、即事故につながってしまうからです。しかし、ネバタ州は以下の条件をつけることで、自動運転カーに初めて免許を交付しました。
 ・自動運転カーには常に2人が乗車すること
 ・一人は万が一にそなえ、運転席に座ること
 ・もう一人は自動運転カー内のモニターを監視して安全確保に努める
というもの。将来的に実用化していく際にはこれらの条件を見直すことが必要となりますが、現段階では自動運転カーを走らせるための前向きな条件設定。

なぜなら、社会に必要の無い技術は淘汰されます。必要性が認められなければ、忘れ去られてしまいます。単なる技術者の自己満足で終わってしまい、そこに眠っているビジネスの機会、社会発展の機会を失ってしまうのです。しかし、こうした行政サイドの支援があれば、社会実験という形がとれます。社会にその技術がどのように必要とされるのか、役に立つのか、社会で実際に利用してもらうためには何が必要なのか、といったことが見えてくるのです。

今回のネバタ州の対応は、社会実験の場を提供する行政サイドの支援、ととらえることができます。このような行政の支援策は技術発展と実用化には不可欠な要素なのです。