フィード・ゲーミング ⇒ ニュースフィードでゲームプレイ
Facebookは今までアプリとしてインストールする必要があったゲームを、インストールなしでニュースフィード上で遊べる“フィード・ゲーミング”を開始しました。動画を見る感覚で、気になったらクリックすればすぐに遊べるようになっているのです。
これまでのゲームはゲームを遊ぶためには
・遊びたいゲームのページに移動
・アプリインストール画面に移動
・アプリインストールを実施
・ゲームを立上げてプレイ
というステップが必要でした。しかしながら、このフィードゲーミングであればワンステップで、つまり“気になったら即プレイ”ということができるわけです。現在のところ、以下の3ゲームで試すことができます。
Bubble Witch SagaIdle Worship
フィード・ゲーミングの可能性 ⇒ プロモーション・ツールの要に
このフィード・ゲーミングにはどういった可能性があるでしょうか。まず、ゲーム・アプリのお試し版としての位置づけで利用できる可能性があります。結局のところ、ニュースフィード上に表示できるゲームは、アプリ版のゲームに比べれば小さいものになってしまいます。しかし、ゲームの雰囲気や楽しさのポイントを伝えることはできます。したがって、
・要素を凝縮したミニ・ゲームを提供
・ユーザにちょっと遊んで興味をもってもらう
・本編であるゲーム・アプリを訴求してインストールにつなげる
といったアプローチで利用することが考えられます。
もうひとつは、Facebookページのプロモーション・ツールとしての利用。イメージとしては2011年後半ぐらいから2012年初めぐらいまでに流行っていた「○○診断」のようなもの。ゲームというとっつきやすさと、ニュースフィード上に表示されるという要素を利用して企業が自社のFacebookページへの集客に利用するわけです。流れとしては、
・企業に関わるゲームコンテンツを開発
・Facebookページ上のニュースフィードで公開
・ユーザがゲームをプレイ
・プレイ結果をユーザが自分のタイムライン上で公開
・他のユーザがゲームに興味をもってプレイ
・Facebookページへ誘導
といったものになるでしょう。
このときポイントになるのが、いかにしてゲームを拡散させるか、そしてFacebookページに最終的に誘導するか、という点になります。一つの案としては、ゲームのプレイ結果を単純な点数にするのではなく、“○○キング”のような称号であったり、イメージ画像で会ったりをプレイしたユーザに提供して、ユーザはその称号や画像をシェアできる仕組みにする。つまり、ユーザ同士のコミュニケーションで話題になるようなコンテンツをプレイ結果から提供するというもの。コミュニケーションで話題になれば、ゲームを拡散する可能性も広がるわけです。
そして全てのゲームをプレイ結果がまとめられ、集計されたコンテンツをFacebook上にも用意しておきます。単純なものであればスコア・ランキングですが、少しひねるなら称号ごとのユーザ分布であったり、イメージ画像でのマトリックスでったりといったもの。ここでもユーザがコミュニケーションで話題になるようなコンテンツを用意することが必要になります。そしてこのFacebookページ上のコンテンツがあることを、ゲーム終了時の画面で訴えれば誘導になって行きます。また、クーポン券が手に入るなど、実店舗で利用できるサービスと組み合わせていくことも有効でしょう。
課題はやはりモバイル ⇒ 対応できなければ効果は半減
フィード・ゲーミングにはプロモーション・ツールの要になる可能性があります。しかしながら、一つ大きな課題があります。それは、モバイルでの利用。現在のところ、フィード・ゲーミングはスマートフォンには対応していません。もちろん、フィーチャフォンにも。しかしながら、Facebookユーザ9億人のうち、その約半数はモバイルからアクセスしています。つまり、フィード・ゲーミングがプロモーション・ツールとして利用できたとしても、モバイルに対応できなければ効果は半減してしまうのです。
これに対して、いくつかの解決の可能性があります。その一つがHTML5対応。HTML5でゲームコンテンツを作ってしまえば、スマートフォン上でも動かすことができます。ただし、ニュースフィードからの画面遷移、操作性などのデザインには工夫がいるでしょう。デバイスへの依存性も否定できません。デバイスという側面では、Facebook自身がスマートフォン端末を作るといううわさも出ていますが、ほとんどのユーザがiPhoneやAndroidを利用している以上、アプリレベルでの対応は必須です。