2012年5月28日月曜日

クラウドとBYODは求めるスキルもかえる? ⇒ Excelマクロよりもシンプルアプリ開発

クラウド化、BYODといったトレンドが今後進んで言った場合、ビジネスの現場で重宝されるスキルも変わっていきそうです。

Till Zoltán

  重宝されてきたMS Office系スキル ⇒ 活躍できる場は徐々に限定
これまで仕事の現場で重宝されてきたスキルといえば、Microsoft Officeのスキル。MOS(Microsoft Office Specialist)の資格試験取得はキャリアアップの定番的な位置づけになっていました。特にExcelのマクロができるかどうかは、実務での作業効率を考えると大きなポイントになるようそでした。もちろん、これからも必要とされるスキルであることは間違いありません。しかし、このスキルが効果を挙げるには、
 ・ユーザが利用するOSが同じ
 ・利用するソフトウェアが同じ
 ・ハードが異なることによる影響が少ない
といった条件が必要です。

しかしながら、現状徐々にこうした環境が崩れてきています。OSについてもビジネスの現場では、WindowsだけでもXP、VISTA、7、そして今年リリースされる8のバージョンが混在。さらにMac OSやAndroidも存在しています。同じOffice系のソフトでも、Open OfficeやGoogle Docsを利用しているケースもあります。同じデータを、PCから、タブレットから、スマートフォンから参照するようになっています。

つまり、Excelマクロのような、これまで会社内で重宝されていたスキルが活躍できる場は徐々に限定されてきているというわけです。


  重宝されるのはクラウド&アプリ ⇒ 簡易開発ツールを使いこなそう
では、どういったスキルが今後重宝されていくのでしょうか。すでにExcelマクロなどで処理していた分析作業や管理作業を行ってくれるクラウドサービスやアプリも登場しています。しかも、特別な設定は必要なく、ちょっとした設定で利用できるようになっています。こうしたサービスを知っていること、それだけでも十分に重宝されるかもしれません。

しかしながら、既存のクラウドサービスやアプリだけでは十分に業務要件を満たせないかもしれません。そうなった場合は、
 ・がまんして使う
 ・必要なサービスを自分で作る
のいずれかの対応をとることになります。前者については、短期的に使うならば十分でしょう。しかしながら、長期的に、定常的に業務で利用するのであれば、業務全体の生産性を下げることになるので避けたいところ。となると、必要なサービスを作る、というアクションが必要になります。

ここに今後重宝されるスキルのポイントがあります。つまり、ビジネスの現場にいる人が自らクラウドサービスやアプリを作ることができれば、それは非常に貴重な戦力となるわけです。
業務の現場担当者が、自らの業務に合わせてExcelマクロを組むようにクラウドサービスやアプリが組めれば、業務生産性向上に大きく貢献します。

ただし、その実現には条件があります。まず、簡単にクラウドサービスやアプリを立ち上げることができる開発ツールを用意することが必要です。これについてはすでに一部サービスが始まっています。たとえばサイボウズのKintoneは“ファスト・システム”をキーワードに、だれでも数分で帳票サービスをクラウド上に立ち上げられるようになっています。またアプリについては、Andoridの簡易開発ツールが多数でています。

また、クラウドサービスやアプリを作って運用できるだけのリテラシーが必要です。とはいえ、開発ツールを利用すればこの問題はかなり軽減されるでしょう。

今後、業務の現場をドライブしていくのであれば、Excelマクロを覚えるよりも、こうしたクラウドサービスやアプリの簡易開発ツールを使いこなせるほうが有効なのかもしれません。