プラットフォームを狙う ⇒ 巨人化したプラットフォームと住み分けて参入
まずプラットフォーム。ここは既存のSNS事業者が巨人化して、非常に強いポジションになっています。しかし、それでもプラットフォームになることを狙う企業は少なくありません。巨人となったSNS事業者とはコンセプトやターゲットを切り替えて、市場のスキマ=ニッチなマーケットを狙いプラットフォームになることを狙っています。
また、こうしたSNS事業者が提供するプラットフォームはあくまでも基盤部分を提供するものになります。パソコンで言えばOSの提供です。そこに目をつけ、プラットフォームの中にミドルウェア的なポジショニングで入りこむ、つまりプラットフォームの中のサブ・プラットフォームを提供する、ということを狙うプレイヤーも出てきています。最終的なゲームコンテンツの開発は下請けに回し、ゲームシリーズの共通機能とゲーム企画を行うようなイメージです。
さらにSNS事業者が提供するプラットフォームはそれぞれに競争しています。GreeはGree、MobageはMobageの世界で閉じています。そこに共通したゲームコンテンツや機能を提供する、横串を指す形のプラットフォームを構築することで収益獲得の可能性を高めることもできます。
ゲーム提供での収益 ⇒ 多種多様なプレイヤー参入でソーシャル・バブルに
ゲーム提供者も増加しています。まずはSIerと呼ばれる人たち。業務システムやWebサービスを作っていた人たちが、その知見を活かしてソーシャル・ゲームの開発に乗り出しています。ITのトレンドにソーシャル・ゲームがある以上、これは自然な流れといっていいかもしれません。
また、既存のハードに対してゲームを提供していたゲーム会社も参入しています。例えばスクエア・エニックスはドラゴンクエストやファイナルファンタジーといったメジャータイトルを武器に参入しています。このとき、シリーズタイトルをつかって新しいゲームを作ることもありますし、昔ファミコンでリリースした内容をそのまま焼き回して提供することもあります。いずれにおいても過去に築いたブランドがあるので、ユーザ獲得・収益獲得の可能性が高くなります。
キャラクターやアニメなどのコンテンツを持っている企業の参入もあります。AKB48やEXAILなどのタレントを登用したり、ワンピースなどのアニメを利用したりして提供しているゲームは、TVCMでも数多く流れています。キャラクターなどのコンテンツが持っているイメージ・ブランドを利用して、ユーザ獲得・収益獲得を狙う構図となっています。なおこの場合、開発者をコンテンツ提供する企業が持っていないケースもありますので、前述のSIerに外注して作るようになってきます。
さらに、ブローカーやファンド的なポジションで参入している企業もあります。有名どころだとGMO Internationalなどがあげられるでしょうか。ソーシャル・ゲームに参入したい人たちを募り、資金面やノウハウ面で支援したり、ゲーム提供するまでの部分をサポートを行うモデルです。支援してリリースにいたったソーシャル・ゲームでの売上げの一部を徴収することで、収益を獲得していくモデルです。ベンチャーキャピタルに似たビジネスモデルになっています。これは見方によってはプラットフォームとしてのポジショニングをとっている、といえるのかもしれません。
いずれにおいても多種多様なプレイヤーの参入が相次いできたことは間違いありません。そしてその分コンテンツが生まれ、人が動き、お金が動いているわけです。結果、ソーシャル・ゲームは景気がいい、と言われ過熱する状況、すなわちソーシャル・バブルを生み出しているのです。