加熱するソーシャル・ゲーム ⇒ 新しい2つの問題
ソーシャル・バブルが加熱するにつれて、事業者もユーザも集まってきます。そこには当然、様々な考え方があり、ニーズがあります。当然、対立する考え方、本来の目的とはずれた目的もでてきます。その結果、ソーシャル・ゲームは以下の2つの問題を新たに抱えることになっています。
・ 不健全なコミュニケーション
・ 搾取型の課金システム
不健全なコミュニケーション ⇒ 未成年がトラブルに巻き込まれることも
ソーシャル・ゲームは、ゲームという題材を通じてユーザ同士がコミュニケーションをとることができます。友達同士の健全なコミュニケーションは新しい和を広げるものとなるでしょう。しかしながら、ソーシャル・ゲームは誰もが参加することができます。しかし、必ずしも常に健全とは限りません。
特に問題視されているのが、出会い系サイトになってきていること。しかもただの出会い系ではなく、援助交際や売春などの温床になっており、未成年が関わるケースも少なくないのです。
また、ソーシャル・ゲームは個人間で新しいお金の流れも生んでいます。ゲーム内のアイテムを現実のお金で売り買いするリアルトレードというもの。個人間売買となるために、金銭面でのトラブルの可能性は否めません。
また、ゲーム上でのコミュニケーションに囚われ、疲弊してしまうケースもあります。ソーシャル・ゲーム上での誹謗中傷に悩まされたり、ソーシャル・ゲーム上でのコミュニケーションを続けることに強迫観念を感じながらも無理に持続したり。いわゆるソーシャル疲れというものも生んでいます。
搾取型の課金システム ⇒ 事業の持続性を破壊に
ソーシャル・ゲームは、バブルといわれるほどプラットフォーム提供者にも、ゲーム開発者にも収益をもたらします。収益が獲得できるのであれば、いかに効率よく収益に結びつけるか、を考えるのが事業者というもの。その結果、数多くの課金システムが生まれています。
このとき、課金システムがあること自体は決して問題ではありません。収益が上がらなければ、事業者はゲームを運営していく資金を確保することはできません。また、新しいゲームの開発もできませんし、それ以外の事業にもつながりません。事業者となる会社で働く人たちの給料も下がってしまいます。課金システム自体は、社会の経済システムの一つとして必須要素です。
しかしながら、ユーザ側の利益と事業者側の利益のバランスが崩れてくると話は変わってきます。事業者側が利益を追求し、ユーザから搾取する形になった課金システムには問題が生まれます。気がついたときにはユーザに高額請求が届く、中毒性が高いために必要以上のお金をゲームにつぎ込む、といった状況を作り出しています。ユーザによっては月額数十万円をゲームにつぎ込んでいることもあります。そしてユーザの不利益が続けば、どこかでお金の流れが切れます。お金の流れが切れれば、事業として継続することは困難にしてしまうのです。