4月に集中した交通事故 ⇒ 交通に対してのフールプルーフが必要
2012年4月、非常に残念な交通事故が多発しました。共通点は、注意力の欠如、ということ。祇園の事故は運転手が死亡しているため事実確認は難しいですが、
他の3件は居眠りや不注意によるところが大きくあります。京都・亀岡の事故の場合は注意力の欠如以前に、モラルの欠如が問題視されるべきですが。いずれにおいても運転というアクションに対し、フールプルーフ(誤りの防止策)を行うことが必要です。
他の3件は居眠りや不注意によるところが大きくあります。京都・亀岡の事故の場合は注意力の欠如以前に、モラルの欠如が問題視されるべきですが。いずれにおいても運転というアクションに対し、フールプルーフ(誤りの防止策)を行うことが必要です。
4月12日 京都・祇園
軽ワゴン車が歩行者に突っ込む。
7人死亡 11人が重軽傷。
運転手はてんかんの発作が出た疑いも(運転手も死亡)。
4月23日 京都・亀岡
軽自動車が登校途中の小学生の列に突っ込む。
3人死亡、7人が重軽傷。
運転手は無免許の少年、一晩中走り続け、居眠りしていたと供述。
4月27日 千葉・館山
軽自動車が路線バスを待つ小学生の列に突っ込む。
1人死亡。
運転手は「ぼーっとしていた」と供述。
4月29日 群馬・藤岡(関越道)
高速バスが防音壁に単独で衝突。
7人死亡、39人が重軽傷。
運転手が居眠りをしていたと供述。
注意喚起だけでは不十分 ⇒ システマティックな対応が必要
これらの事故防止策で目立つのは、運転手に対する注意喚起。体調が優れない場合は運転しない、疲れたら休憩をとる、業務で運転する場合は上長による管理も徹底する。そうした通達や指導が行政などにより行われています。もちろん、こうした通達・指導は必要ですし、継続すべきです。しかし残念なことに、これまでもこうした通達・指導は行ってきており、それでも事故は起きてしまっています。
となれば、運転手に対する働きかけだけでなく、車や道路などを含めた交通システムに対する働きかけ=交通システムの見直しも行っていくことも必要なのではないでしょうか。
例えば無免許運転防止のシステムとして、車に自動車免許の読み取り装置+顔認証のシステムを設置する。免許証の写真と運転手の顔が一致しなければ、エンジンがかからない仕組みができれば無免許運転はできなくなります。また、連続運転時間が2時間を越えると自動的に休憩できる場所に案内するナビを設置する。ナビを無視して運転し続けると通信回線を経て道路交通局や警察に連絡が行き、休憩するように促す仕組みがあれば無理な長時間運転の防止につながります。
すでに車間距離や障害物の距離をセンサーで測って衝突を防止するシステムや、まぶたなどの動きを読み取って居眠りを防止するシステムも登場しています。こうしたITを利用したシステマティックな対応もあわせて考えていくことが必要になります。
それでも起きる交通事故 ⇒ 将来的にはドラスティックな改革も
注意喚起に加えてシステマティックな対応をしても、やはり交通事故は起きるでしょう。交通事故を完全にゼロにすることは不可能かもしれません。しかしながら、交通事故が発生する可能性を限りなく下げていくことはできます。例えば、自動車が歩行者に突っ込まないようにするには、歩行者の横を自動車が走らないようにすればいいわけです。そのためにどうするかといえば、自動車が進入できる区域を制限が必要になります。
しかし、現状のまま交通の制限だけを加えれば、交通の利便性が損なわれてしまう可能性もあります。ではどうするか。交通システムを含めた都市計画そのものを見直す、ドラスティックな変革を図るのです。幹線道路は自動車だけが走れるように、普段歩行者が歩く道には自動車が入らないように、やむを得ず自動車と歩行者が並行する場合は街路樹などで分離して万が一の事故が起きないように、場合によっては時間帯ごとに交通制限を書ける仕組みを入れて対応する都市交通システムを実現する。もちろん、車や道路上に設置されたカメラやセンサーはオンラインでつながり、集中的に管理されており、事故防止に向けて目を光らせる仕組みもつくる。システムで足りない部分は、人と人のつながりでサポートできる。そうした仕組みを作ることはスマートシティが負う役目のひとつでもあります。スマートシティにリンクする、スマートな交通システムが事故防止には必要なのではないでしょうか。