2012年5月9日水曜日

大きな変化を迎えるゲーム業界⑥ ⇒ ソーシャル・ゲームの勝ち組はプラットフォーム提供者


主流になってきているソーシャル・ゲーム。ではこのソーシャル・ゲームをビジネスとして捉えたとき、どのような仕組みになっているのでしょうか。

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  収益形態は? ⇒ 基本的にはユーザ課金
ソーシャル・ゲームではどのようにお金が動き、事業者は収益を獲得しているのでしょうか。簡単に整理すると、
 ・SNS事業者 : 開発者の売上げの一部をプラットフォーム手数料として徴収
 ・開発者 : ユーザに対する有料ゲームコンテンツの販売による売上げ
 ・ユーザ : 有料ゲームコンテンツに対する支払い
となります。当たり前ですが、ユーザがお金を払い、SNS事業者・開発者が収益を得る形態となっています。

他にゲーム内に広告を掲載することで収益を獲得するケースもあります。広告出稿主が広告掲載料を払い、SNS事業者と開発者で収益を配分する形になります。また、企業のプロモーションを目的に、企業タイアップでゲームが制作されることもあります。これらの場合、広告収益や企業によるスポンサーフィーなどによる収益が確保されるため、ユーザにゲームコンテンツが無料で提供されていることもあります。


  誰が一番儲かるか? ⇒ 圧倒的にプラットフォーム提供者
このとき、誰が一番儲かるかというとSNS事業者です。彼らはプラットフォームを提供するだけで、ゲーム自体の運営は行いません。また、基本的にプラットフォーム手数料はゲームの売上げに対して固定料率で徴収されます。したがって、何もしなくてもゲームが売れてくれれば儲けが入ってくる仕組みとなっています。しかも、ゲームアプリを提供する開発者はたくさん居り、そのうちの一部がヒットしてくれれば十分に収益を獲得できるのです。ちなみにこの料率は概ね30%程度になっています。

広告で収益を上げる場合でも主導権はプラットフォームを提供するSNS事業者にあります。なぜなら、広告を掲載して広告出稿料を課金する仕組みモプラットフォームの一部だからです。

また、企業タイアップについてもSNS事業者が一番のメリットを得られます。結局のところプラットフォームを提供するSNS事業者のネームバリューが強くなるので、プロモーションを目的とするのであれば企業はSNS事業者とタイアップします。当然、スポンサーフィーはSNS事業者に流れ込みやすくなるのです。

もちろん、そのぶん巨額の投資が必要となります。まず、基盤になるプラットフォームのシステム自体を開発する必要があります。また、ユーザを集めなければいけませんのでプラットフォームのプロモーション活動も積極的に展開しなければいけません。さらにプラットフォームにゲームを提供してくれる開発者を探し、かつ“やる気”にさせる必要もあります。つまり、
 ・プラットフォームのシステム開発
 ・ユーザへのプロモーション
 ・開発者とのパートナープログラム
といったものを同時並行で実施することが必要であり、大きな投資リスクを乗り越えなければプラットフォーム提供者になることは難しいのです。