We pay no attention to crazy old guys with cameras when we're walking down the street with our cell phone / Ed Yourdon
うっかり噴水に転落!? ⇒ 歩行中の携帯電話操作には罰金も
歩行中の携帯電話の利用は非常に危険です。BCやCBSなどのメジャーなニュースでも取り上げられています。その最たる例になるのがこの動画。携帯電話に夢中になるあまり、前を見ておらずショッピングモールの噴水に転落してしまっています。
ニュージャージー州では2012年1月~3月の3ヶ月で23人が歩行中に交通事故にあい、3人が死亡。その原因の一つが、携帯電話を使いながら歩いたため。これをうけ、パンフレットを配るなどして啓蒙活動を続けたのですが効果がなく、現在は携帯電話を操作しながら横断報道のない場所を横断するといった行為は“危険歩行”として、85ドルの罰金が科せられるようになっています。
なぜ危ない? ⇒ 周りに気付かずトラブル原因に
では、なぜ携帯電話を使用しながらの歩行は危ないのでしょうか。理由は簡単で、
・携帯電話操作に集中(入力中ならなおさら)
・歩行中なのに周囲を見ない(目線は携帯電話)
・危険が迫っていても気付かない(気付いても直前)
といったところ。人間は基本的に複数のことを同時に認知することはできません。何かに集中していれば、他のところはおろそかになるのです。
これは携帯電話を操作している本人も危険ですが、周囲にとっても危険。前述の動画は操作している本人が噴水に落ちましたが、もしかしたら他の人にぶつかって誰かを噴水に落としてしまう可能性もあるからです。特にスマートフォンが普及してきたことで、情報をチェックできる量も幅も増えており、以前よりも歩行中に携帯電話(スマートフォン)を操作している人が増えたことで、社会的にもそのあり方を見直さなければいけなくなっています。
GoogleのARグラスも危険? ⇒ ウェアラブルデバイスにも同じ問題が
現在は携帯電話やスマートフォンをターゲットにその危険性が伝えられています。しかし今後、GoogleのProject Glassのようなウェアラブルデバイス(身につけるデバイス)が出てきた場合、どうなるでしょうか。パロディー動画といわれている以下の動画は、実は現実を如実に表現しているのかもしれません。
ウェアラブルデバイス、特にARメガネのように常に視界に情報が入ってくれば、そこに気がとられます。操作自体が音声操作であったり、位置情報や画像情報を解析した結果からの自動表示なので、操作による危険性は多少軽減されるかもしれません。しかしながら、情報を読み取るというところではスマートフォンと同様の危険性はあります。
まとめ:テクノロジーに頼るだけでなく、ユーザのマナー向上を
では、こうした歩行中の携帯電話やスマートフォンの操作による危険性、そして将来的にはARメガネのようなデバイス操作の危険性にはどのように対応していけばよいでしょうか。
ARメガネのようなウェアラブルデバイスの場合であれば、歩行中の利用を想定したデバイス設計を行うことで危険回避が可能です。デバイス自体にセンサーを内蔵し、歩行中であるかどうかを感知。歩行中の場合は画像表示をしない、というアプローチも取れるでしょう。ただし、これは少し先の話。
では現段階ではどうすればよいでしょうか。答えはシンプルです。私たち一人ひとりが、スマートフォンや携帯電話を歩行中に利用しなければいいだけの話です。もう少し言ってしまえば、歩行中にスマートフォンや携帯電話を使うのは社会のマナーに反する、という風潮を作っていけばよいのです。どうやって作るかというと、地道に啓蒙を続けていくこと。公的機関や携帯キャリアなどがキャンペーンをはり、メディアでとりあげ、地道に続けていくことが大切です。ニュージャージーのような罰則規定も場合によっては有効かもしれません。