2012年3月20日火曜日
目立つ孤独死・餓死 ⇒ 生活保護制度を含めたセーフティー・ネットの抜本的見直しが必要
最近目立つ「孤立死」。セーフティーネットである生活保護がありながらも、支援を受けられないで飽食の国・日本で餓死するケースも出ています。私たちの日常に潜むリスクとして捉え、この問題に向き合うことが必要なのではないでしょうか。
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急増する孤立死 ⇒ 現代社会が抱えるリスク
2012年2月下旬ごろに入ってから、孤立死や餓死のニュースを目にする機会が増えています。この背景には独居高齢者の増加は否めません。事実、2012年現在の東京都の1世帯あたりの人数は1.99人となっています。一緒に暮らす人がいなければ、病気や事故などにあった際に、助けを得ることができずにそのまま亡くなってしまうケースが起きているのです。
餓死も増えている? ⇒ セーフティネットの見直しを
また、報道を見ている限りでは餓死しているケースも多く見受けられます。厚生労働省の人口動態統計で情報が出ている2010年までを見る限り、餓死は減少傾向にあります。
仮に餓死者が2011年以降増えているとしたら、震災の影響が考えられます。震災での直接的な被災(支援物資が届かないなど)によるものもありますが、間接的に、例えば震災によって頼りにしていた仕事がなくなり、職を失うことになって生活に困窮する、ということもおきているのではないでしょうか。
しかし、本来であれば生活保護でケアできるはず。しかしながら生活保護を受けることなく亡くなっているケースもあります。
求められるセーフティー・ネットの抜本的な見直し ⇒ 金銭+コミュニティで支援を
こうした孤立死や餓死を防ぐためにはどうすべきでしょうか。まず、生活保護で救えるのであれば救うべきです。しかし、生活保護自体が今、大きな問題を抱えています。生活保護受給者は過去最高の207万人(2012年1月現在)となり、その受給総額は3.3兆円。しかも不正受給者は2010年度で2万5千人にものぼり、総額約129億円にものぼります。加えて、働けるはずの若年層や、外国人に対する給付も少なくありません。生活保護の仕組み自体を根本的に見直す時期に来ているのではないでしょうか。
また、金銭だけではもはや孤立死の問題は解決できません。お金があっても、助けを差し伸べる手がないのです。そこで求められるのがセーフティー・ネットとして機能するコミュニティです。自助・公助と同列で、共助の仕組みを社会で暮らす私たち自身の手で作り上げていかなければならないのではないでしょうか。