※2012年3月8日に開催されたセマンティックWebコンフォレンスのパネルディスカッションに出演した際の資料解説です。
もしこの“ビッグデータ”をうまく利用できれば、社会を大きく変革し、私たちは今はまだ見えていない全く新しい価値を手に入れることができるかもしれません。それは私たちの祖先が文字を手に入れて文明を作り上げたように、動力を手に入れて今日の産業の礎を築いたように、人類の歴史に大きな影響を与えることでしょう。なぜなら、この”ビッグデータ“による世界は、私たちが手にしたことがない、見たことがない可能性にあふれた世界だからです。
しかし、その反面リスクも存在します。例えばFacebookなどのSNSで目についたトピック。芸能人のゴシップかもしれませんし、首相が発表した新方針についてのトピックかもしれません。いずれにしても“ビッグデータ”の全体からすれば本当に小さなトピックです。しかし、そのトピックがいつの間にか一人歩きし、多くの人々に影響を与えてしまうことがあります。たとえそのトピックが嘘であったとしてもです。そして“膨大な情報”の中で踊らされ、惑わされ、正しくない選択をしてしまう可能性もあるのです。
私たちは今、“ビッグデータ”の未知の可能性だけではなく、リスクに直面しています。可能性を見いだすのと同時に“ビッグデータがもたらす問題を解決しなければいけなくなっているのです。しかし、”ビッグデータ“はかつてない「速さ」「量」「多様性」「複雑性」をもつ未知の存在。今までの常識やテクノロジーで挑むのでは、”ビッグデータ“に私たちはただ飲み込まれ、さらに混沌とした社会がやってくるのを待つことしかできないでしょう。
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