Free Space / evanrudemi
コンテンツは無料という認識 ⇒ 必ずしもそれが正しいとは言えない
・新聞業界 ⇒ Webニュースが登場したことで発行部数が減少
・出版業界 ⇒ 雑誌を中心にポータルサイトが登場したことで発行部数減少
・ゲーム業界 ⇒ オンラインゲームが増えて、据え置き型が衰退
といったことが起きています。これ以外にも音楽配信、データサービス、システム開発などWeb関連のサービスを見ていけば、既存ビジネスに影響を与えている事例は少なくないでしょう。そしてWeb上ではほとんどのコンテンツが無料で提供されており、Googleに代表されるように広告サービスなどの付加価値提供によって収益をあげています。
しかしながら、こうした無料サービスが広がることで、ある意味有象無象のコンテンツがWeb上に転がっているようにもなっています。加えて、この無料コンテンツが増えたことで既存の事業者が撤退してしまうケースも出てきています。一言で言ってしまえば、コンテンツとしての質が低いものが多くなっているのです。場合によっては、誤った情報で作られたコンテンツ(デマなど)もあるわけです。
Webが登場してコンテンツが無料になっていったことで、私たちは多くの情報やサービスを気軽に利用できるようになりました。これは大きなメリットです。しかしながら、無料化によってコンテンツの質が下がり、誤った情報やサービスを利用してしまうリスクも負っているのです。もしかしたら私たちは、コンテンツ劣化のスパイラルに中にいるのかもしれません。
“信頼”がコンテンツの価値へ ⇒ 付加価値+“信頼”で対価獲得を
こうした無料の中で、注目を集め始めているのが“あえて有料”のサービスです。全てのサービスを有料にしているわけではなく、特定の条件を満たした場合にのみ有料にするというモデルです。たとえば転職相談。年収1000万円以上の管理職・専門職に特化したサイト「ビズリーチ」では、月額4980円でサービスを提供しています。有料である分、質の高い求人情報を見つけることができ、かつヘッドハンターの支援も受けることができます。このように“信頼”をお金で買うサービスが注目を集めているのです。
結局のところ、Webに公開してしまえばだれもが見た目は同じものを作ることができます。そして、これだけの情報が公開されていれば、どうやってやるかも調べることができます。What(何を作るか)やHow(どうやって作るか)で付加価値をつけることはできますが、それだけでは差別化は難しいのです。そこで必要なのは、Who(誰がやるのか)です。社会的に信頼される企業・個人が提供するかどうか、そこが競争の分かれ目となっていくのです。
まとめ:“信頼”の確保でコンテンツのサスティナビリティを
Web上に広がる無料コンテンツによって、従来のコンテンツが衰退してしまっている状態にあります。しかしながら、無料コンテンツにはない深い“信頼”を提供することで、有料コンテンツも十分に対抗することが可能です。
また、利用者側の立場から見れば無料サービスで全てを事済ませることには限界が出てきます。中途半端に終わる可能性があるからです。“信頼”でるもので必要なものには正当な対価を払う、という意識が必要です。そうしなければ、必要としているコンテンツが消えてしまう可能性があるのです。
もちろん、単純に売り買いできるものばかりではないかもしれません。しかしながら、コンテンツに対して正当な対価を支払うことで経済循環を生み出せば、コンテンツ劣化のスパイラルを断ち切ることができます。むしろ“信頼”される、必要とされるコンテンツはその質をあげ、新しいサービスが誕生してくるかもしれません。コンテンツビジネスにおいても、サスティナビリティを考える必要がありそうです。