2012年3月22日木曜日

おサイフケータイでマクドナルドのオーダーも炊飯器も ⇒ Felicaが実現する効率化と、“ひとの温かみ”という課題


おサイフケータイなどに代表されるFelica。2012年は国際規格であるNFC搭載の機種も登場し、その利用用途はさらに拡大していきそうです。

マクドナルド / penpenpen

  マクドナルドがオーダーシステムで採用 ⇒ オーダーの時間を40%短縮
マクドナルドでは2012年夏より、携帯電話であらかじめオーダーを入力し、レジでかざすだけでオーダーができるというサービスを開始します。おサイフケータイの機能が付いていれば、支払いまでも一瞬で済んでしまいます。2014年までに全店へ展開する予定。対応機種はNTTドコモの携帯電話から開始し、順次他社の携帯電話にも対応していきます。

すでに鹿児島県の店舗で実験を行っており、来店客の2割程度がこのサービスを利用。これまで平均で55秒かかっていたオーダーの時間を30秒まで短縮できたとのこと。ランチタイムなどのピーク時に待ち時間を短縮し、販売ロスを減らして収益確保をすることが狙いです。


  パナソニックはFelica対応炊飯器 ⇒ レシピサイトと連動した調理機能
パナソニックのスチーム IH ジャー炊飯器 SR-SX シリーズでは、スマートフォンを炊飯器にタッチするだけで調理設定が行える仕組みになっています。Felica搭載のAndroidスマートフォンからパナソニックが提供するレシピサイトにアクセスして設定情報を取得し、タッチするだけでその設定を炊飯器に反映できるのです。なお、個別に自分でスマートフォン上で行った設定も反映可能とのこと。

  さらに広がる可能性と課題 ⇒ “ひとの温かみ”が課題
マクドナルドのオーダーシステムもパナソニックの炊飯器も今のところはまだ“珍しいサービス・機能”というレベルです。しかしながら、これはユビキタス社会、アンビエント社会の始まりといってもいいかもしれません。いつでも・どこでも・だれでも情報にアクセスできるアンビエントなシステムで、自分がやりたいこと、できることを細かく整理。そして今だけ・ここだけ・私だけのユビキタスなサービスが利用できるようになる足がかりになるのです。

たとえば、マクドナルドのオーダーシステムを応用していけば、あらゆる場面での待ち行列が解消していけるだけでなく、言葉の壁も解消できます。必要なオーダーはスマートフォンで行っておけばよいのであり、口頭で伝える必要はなくなるわけですから。また、炊飯器だけでなく家電全般の動きをスマートフォンだけでコントロールできれば、家事はもっと自動化できるかもしれません。

しかしながら、それを安易に受け入れることには危険性があるかもしれません。なぜなら、そこでの人間の存在意義・必要性が低くなるからです。単純に言えば、お店のオーダーはロボットだけでよくなり、料理も自動的に出来上がってくるだけ。確かに効率的ではありますが、大事なものを失っているように感じてなりません。システムによる便利さと、“人の温かみ”の両立が今後の課題かもしれません。