2012年3月10日土曜日

“ほんやくコンニャク”はスマートフォン・アプリで実現 ⇒ コミュニケーションから言語の壁がなくなる日も近い

ついに“ほんやくコンニャク”ができました。実際にはコンニャクではなくスマートフォン・アプリですが。基本的な会話はこのアプリさえあれば問題なし。言語の壁は徐々にコミュニケーションの壁ではなくなってきています

ぬりかべ田楽 / yoppy



  自分がしゃべった言葉をダイレクトに翻訳「VoiceTra」
NICT(情報通信研究機構)が提供するiPhone、Android向けのアプリ「VoiceTra」は、自分がしゃべった内容をそのまま自動翻訳してくれるサービス。しかも、翻訳した結果は音声でしゃべってくれます。

音声出力に対応している言語は、日本語・英語・中国語・韓国語・インドネシア語・ベトナム語の6つ。東アジア圏であればこのアプリがあれば不自由しません。音声は出力されませんが、翻訳結果の文字での出力は22ヶ国語に対応。海外旅行もこれで安心です。

しかも素晴らしいことに言語の組み合わせは自由。日本語と別の言語という組み合わせだけでなく、例えば中国語から英語、イタリア語からインドネシア語、という翻訳も可能なのです。まさに“ほんやくコンニャク”そのもの。

ただし、クラウドベースでのサービスなので利用には通信環境が必要。したがって海外に言った場合は国際ローミングを利用するか、公衆WiFiを利用することが必要になります。海外で利用する際には通信料金には気をつけましょう。

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 VoiceTra 


  インストール型なら「世界会話手帳」
ニンテンドーDS用ソフトのシリーズである「旅の指さし会話帳」をまとめてしまったようなアプリがNHK Japanが提供する「世界会話手帳」。こちらは旅行中に必要となる会話文を用意し、相手とコミュニケーションする仕組み。

言語は英語・韓国語・中国語・フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・ロシア語・アラビア語・タイ語・ベトナム語・インドネシア語・モンゴル語に対応しており、入国審査、レストラン、病院などシーン別に利用できる会話文が2000種類以上収録されています。

インストール型なので利用時にネットワーク環境は不要。海外に行っても通信環境を気にせずに利用できます。ただし、会話数が限定されることと自動翻訳ではないため、あくまでもコミュニケーションの補助ツールとしての位置となります。会話文にないところは、ボディーランゲージを駆使してコミュニケーションしましょう。

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  SNSでのコミュニケーションに使うなら「iHandy 翻訳機」
文字ベースでの翻訳であれば「iHandy 翻訳機」も便利です。TwitterやFacebookに翻訳結果を直接投稿できるので、SNSを使ったコミュニケーションをするのであれば利用価値があります。対応言語も52ヶ国語と非常に多いのも特徴。なお、有料版にすれば翻訳結果を音声出力することもできます。

音声入力については残念ながら対応していません。英語であればiPhoneのSiriを利用すればできないこともない、といったところです。Siriの対応言語が広がれば、日本語でも利用できるようになるのでしょうが。

ちなみにクラウドベースでのサービスなので、やはり通信環境が必要です。

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  まとめ:通信環境とコンテキストにあった翻訳の実現が課題
翻訳アプリは今後も進化していくことは間違いないですが、課題は通信環境になっていきそうです。言語データは膨大なボリュームがあるため、インストール型には限界があります。したがってクラウドベースでのサービスが主流となるわけですが、国際ローミングや海外での公衆WiFiの利用は料金面・環境面での課題があります。

また、Siriのような音声認識サービスが充実していけば、翻訳サービスの中心的な価値は“いかに状況にマッチした、適切な翻訳ができるか”という点に絞られてきます。音声認識、音声出力はiOSやAndoridなどのOSに任せておけばよいわけですから、アプリサイドとしては
 ・翻訳を利用するユーザの状況=コンテキストの認識
 ・ニュアンスも含めた的確な翻訳結果の提供
 ・そのための言語データ収集・提供基盤の整備
といったあたりに課題は絞られてくるでしょう。いずれウェアラブル・デバイス(たとえばイヤリングのようなカタチ)として実装されれば、ほんとうに“ほんやくコンニャク”を食べたかのように言語を気にせずコミュニケーションできるようになるかもしれません。