2012年3月21日水曜日

Greeやアメーバピグで未成年に対する利用規制 ⇒ とはいえ結局玉虫色、社会的責任を考えた対応が必要

ソーシャル・ゲームで一部問題視されている課金システム。その一つの側面として、こどもが有料サービスを利用して高額請求を受けてしまう、ということがあります。また、課金以外にも犯罪の危険性、こどもへの悪影響なども懸念されています。こうした動きをうけて、ソーシャル・ゲームを扱う各社は未成年に対する利用制限を設定し始めています。

ピコピコ / iandeth



  Greeはゲーム内課金制限 ⇒ 未成年の上限は5千円~1万円
Greeは2012年4月1日より、以下の通り未成年ユーザに対するゲーム内課金の制限を設けます。
 15歳未満 : 月額上限5,000円
 20歳未満 : 月額上限10,000円
上記制限に加えて未成年ユーザがゲーム内で有料アイテムを購入する場合は、有料であることを強調するようになります。

その他にも
 ・ゲーム内の購入額が一定額に達するとメールで通知するサービス
 ・ゲーム内のアイテムを現金で売買(リアル・トレード・マネー)の監視強化
  ※Greeではリアル・トレード・マネーは禁止されています
 ・「利用環境向上委員会」による検討をふまえたコンテンツチェック体制の休暇
といった対応を行います。こちらは年齢は関係なく、基本的なソーシャル・ゲームの品質向上をはかるためのものとなっています。

なお、Gree Platformにゲームを提供するベンダーに対しても同様の措置を求めるとしています。


  アメーバピグは利用規制 ⇒ 15歳以下は実質利用不可
サイバーエージェントが展開するアメーバピグでは、4月24日から15歳以下のユーザを対象に利用制限を行います。制限内容は、
 ・全エリアへのおでかけ
 ・ピグともおよび、他のピグのお部屋への入室
 ・自分のお部屋へのピグとも、他のピグの入室
 ・ピグとも申請
などであり、ピグライフでも同様の制限が行われます。

もともと18歳以上を対象にしたサービスであったものの、未成年のトラブルが多かったために、さらに踏み込んだ対応をとったとのこと。なお、アメーバピグとピグライフの利用ユーザ数は合計約1000万、そのうち14.2%が15歳以下のユーザとなっています。


  他のSNSは? ⇒ SNSをベースにしている場合はすでに規制
他のソーシャル・ゲームの提供者の対応状況は以下のとおり。
・DeNA
 現在、課金制限については検討中
・Mixi
 ユーザ登録はもともと15歳以上(2008年に18歳以上の制限を緩和)
 15~18歳が利用できる有料サービスは月額上限1万円まで
・Facebook
 ユーザ登録は13歳以上。
 ただし、有料ゲームにはクレジットカードが必要。
 親がこどもにクレジットカードを与えない限りは、課金の問題は防ぐことが可能

なお、少し毛色は異なりますが、iPhoneアプリについてもクレジットカード決済を前提とするため、大きな課金のトラブルは発生しにくいようです。


  まとめ:結局のところは玉虫色規制
ソーシャル・ゲームの未成年利用に対する制限は各社かけ始めているものの、よくよく見ると玉虫色の部分が残っています。例えばGreeについては、Gree Platformへゲームを提供するベンダーに対して規制徹底を強制しているわけではありません。また、月額5000円までとは言え、小学校低学年でも有料サービスが使えてしまうことにも変わりはないのです。アメーバピグにしても、もともと18歳以上を対象としているのにもかかわらず、規制は15歳以下にとどめています。コア・ユーザである女子高生は無視できない、という背景がにじみ出ています。無論、成人ユーザで中毒性高く有料サービスを利用するケースに対してのケアについてはさらに抽象的な対応にとどめています。DeNAはこうした各社の動きを様子見している状態でしょう。結局のところ、自社の利益確保のために調整可能な余白を残している、といった感が否めません。

ビジネスとして自社の利益を確保することは一つの命題です。しかしながら、ソーシャル・ゲームには“ソーシャル”という言葉が付いています。その意味をふまえ、こどもも大人も安心して安全に利用できる環境を用意することが必要なのではないでしょうか。それがソーシャル・ゲームの提供者に求められる、企業の社会的責任の一つなのだと考えます。


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