2012年4月27日金曜日

知識主義経済に向けて200万人の職種転換 ⇒ 労働集約型モデルから知識集約型モデルへ

マネジメントの話をしていくと、避けて通れないのが人事の話。それは企業という単位でも、地域や国という単位でも同じなのでしょう。価値を生み出せるように適材適所で適正な報酬を提供することが必要。それが経済を底上げし、社会を活性化することにつながります。

motoshi ohmori



  200万人規模の職種転換 ⇒ 労働市場の流動化が課題
経済産業省の産業構造審議会は2012年4月23日に今後の産業構造についての試算を発表しました。要点は以下の2つです。
・医療介護・エネルギーなどの重点産業が2020年までに1000万人の雇用を創出に
・同職種内で付加価値が高い分野(企画、研究など)に200万人規模の職種転換することで所得増に
この変化に対応するために、労働市場の流動化が必要、とも指摘しています。


  重点分野はスマートシティ ⇒ 産業構造の変化で雇用創出
前述の医療介護・エネルギーなどの重点産業が雇用創出につながる理由は、スマートシティの展望を考慮すれば納得です。スマートシティは都市機能の最適化であり、その根底にはエネルギーインフラやICTインフラがあります。そしてこのインフラの上に医療介護だけでなく、都市交通、物流、製造、農業といった社会機能が相互に連携しながら構築されていきます。当然、現在とは異なる産業構造となるため、新たな雇用創出につながることは間違いありません。1000万という数字は信憑性がある数字なのではないでしょうか、


  職種転換は必須要件 ⇒ 知識主義経済時代に対応
後者の職種転換は労働集約型のモデルからの脱却を意味しています。労働集約型、つまり働いた時間に比例して成果が得られるビジネス、例えば製造工場のようなモデルでは日本企業の競争力は発揮できません。理由はシンプルで、新興国の労働力にコスト面で勝てないからです。日本人と同等の作業ができるのであれば、賃金が安い新興国に工場をもったほうが企業としてはコスト削減・利益獲得につながるからです。

したがって、日本の労働力は労働集約型から知識集約型にシフトする必要があるのです。時間ではなく、どれだけのイノベーションを起こせるか、新しいアイディアを形にできるか、といったところに価値を置くビジネスに変化することが必要なのです。こ日本が知識主義経済に移り変わってきていることを証明するトレンドといっていいでしょう。

このとき知識集約型の労働力をどうやって確保するかが課題です。日本の人口は限られており、今後少子高齢化で減っていくわけですから、新たに若い労働力を知識労働型で育てるだけでは足りません。これまで労働集約型の職種で働いていた人たちを、知識集約型に変化させることが必要になるのです。