2012年4月28日土曜日

世界の住みやすいまちランキング、上位をしめるシンガポールとオーストラリア ⇒ スマートシティや地域活性のヒントは足元“日本”に


スマートシティや地域活性という言葉があちらこちらから聞こえる昨今。いずれも地域経済を底上げして、住みやすいまちを作るということでは一致します。それでは実際に2012年現在、住みやすいまちはどこなのでしょうか。これらのまちを見れば、スマートシティや地域活性のヒントが見えてくるかもしれません。

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  世界の住みやすいまちランキング ⇒ 人気はシンガポールとオーストラリア
ECAインターナショナルは2012年4月、世界の住みやすいまちランキングを発表しました。このランキングは世界約400都市に対し、気候・医療・インフラ・治安・環境汚染・インターネット環境・政治の質などの項目で比較した結果となっています。


1位 : シンガポール(シンガポール)
2位 : シドニー(オーストラリア)
3位 : アデレード(オーストラリア)
3位 : ブリスベン(オーストラリア)
5位 : 神戸(日本)
6位 : パース(オーストラリア)
7位 : キャンベラ(オーストラリア)
8位 : ダブリン(アイルランド)
8位 : メルボルン(オーストラリア)
8位 : コペンハーゲン(デンマーク)
11位 : ベルリン(ドイツ)
11位 : 香港(中国)
11位 : バンクーバー(カナダ)
11位 : オークランド(ニュージーランド)
15位 : アウトウェルベン(ベルギー)
15位 : ウェリントン(ニュージーランド)
17位 : サンフランシスコ(アメリカ)
17位 : 東京(日本)
17位 : 横浜(日本)
20位 : アムステルダム(オランダ)


  人気のあるアジア・オセアニア地域 ⇒ 経済成長への期待感を反映
このランキングを見ていくと、上位のほとんどがアジア・オセアニア地域。1位はシンガポールで、2位~4位はオーストラリア、5位には日本の神戸が入っています。北米やヨーロッパででてくるのは8位のアイルランドのダブリンとデンマークのコペンハーゲン。この背景にはやはりアジア・オセアニアの経済成長があるでしょう。不安定な欧米経済に頼るよりも、ある程度安定域まで達していながら今だ成長期にあるアジア・オセアニアの経済に期待する気持ちのほうが大きいことがうかがえます。まちとしてみた場合、もはや北米やヨーロッパが単純に先行しているという図式は崩れているようです。


   東京・横浜は震災の影響で人気ダウン ⇒ スマートシティと地域活性のヒントは足元に
日本のまちも人気があることには変わりありませんが、東京・横浜は2011年は6位だったところから17位までダウン。日本経済の低迷など理由をあげれば色々と出てはきますが、最大の要因はやはり東日本大震災でしょう。震災の衝撃的な映像は世界を駆け巡り、多くの温かい支援が日本に届きました。そして少しずつ復興に向けて歩き出しています。その情報もまた世界に向けて発信されています。しかしながら、“日本がもつ地震のリスク”のイメージは強く残っていることは間違いありません。

では、このさきも震災のイメージを引きずっていくのでしょうか。何もしなければそうなってしまうかもしれません。しかしながら、震災の教訓を活かし、災害にも強い住みやすいまちを作れたのであれば大きく変わります。地震は日本だけで起きるものではありませんし、災害と視野を広げれば世界中どこでも起きます。ひとが暮らしていく以上、どこかで災害と向き合わなければいけないことがあります。そのときに日本のまちがモデルケースになっていればよいのではないでしょうか。そのためには震災の影響を受けたからこそ見える、教訓が必要になります。机上だけでは語れない現実が数多くあり、学びが広がっているからです。スマートシティや地域活性のヒントはシンガポールやオーストラリアなどの人気上位の都市ではなく、震災の影響を受けた日本のまちにこそあるのかもしれません。


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