2012年4月14日土曜日

新入社員はナレッジワーカーを目指し育成 ⇒ 必要なのはプログラム、そして企業の度量と勇気


きちりがオープンさせた「新卒ダイニング Rookies」。この取り組みはナレッジワーカーの育成に有効です。では、このようなような取り組みを一般企業で行うためにはどうしたらよいでしょうか。

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  一般企業ではどうすべきか ⇒ 新入社員に一貫した仕事を任せてみる
きちりの「新卒ダイニング Rookies」は、
 ・責任と権限の範囲が明確 : 飲食店一店舗に限定
 ・本社からのサポートが可能 : きちりの飲食店運営のノウハウがベース
 ・新入社員がもつ知識と経験も活用 : きちりでアルバイト経験ある社員もいる(はず)
という要素があるから実現できていると推測できます。

これらの要素を一般企業向けに応用すれば、同様の取り組みを行えるのではないでしょうか。たとえば、
 ・新入社員だけで新規事業を運営してみる
 ・新商品の営業~事務管理までを新入社員だけでやらせる
 ・新入社員限定の社内ベンチャーをやらせる
といったことが考えられます。一連のビジネスプロセスそのものを任せてしまうのです。

もちろん、企業として“好き勝手やっていい”というわけにもいきません。加えて不足する知識や経験はナレッジワーカーになることを阻害しない程度に提供すべきです。つまり、
 ・ガバナンスは効かせる(企業としてのルールは守らせる)
 ・困ったときに相談できる窓口は用意する
 ・新入社員の取り組みの成果と報酬を連動させる(失敗したら給料減、成功したら給料UPなど)
といったことを準備することが必要です。しかし、なによりも新入社員に仕事を任せるという企業の度量と勇気がも求められます。


  他者の取り組みを利用することにも可能性 ⇒ 「新卒ダイニング Rookies」を研修プログラム化?
また、一つの可能性として「新卒ダイニング Rookies」のような飲食店運営のプログラムに参加することも一つの経験となります。その場合は長期的な参加は必要ありませんが、飲食店には営業活動もあり、経理もあり、購買活動もあり、プロモーションもあり、リスク管理もあり、あらゆる要素が詰まっています。また、“現場の理不尽さ”というものは経験しなければわかりえないものであり、飲食店では必ず経験するものでもあります。例えば、きちりが「新卒ダイニング Rookies」を研修プログラムに変換して外部提供をし始めたら、それを利用することも面白いかもしれません。


  まとめ:新入社員教育にはナレッジワーカーを育成する、プログラム+企業の度量が必要
きちりの「新卒ダイニング Rookies」は新入社員に店舗を任せるという新しい取り組み。一見リスクが高そうに見えますが、企業のノウハウを活用してリスクを縮小し、ナレッジワーカーを育成するというメリットを獲得しにいっています。このプログラムは一般企業でも、一貫したビジネスプロセスを新入社員に任せるという形で実現することは可能です。しかしながら、そのためには企業が“新入社員に任せる”という度量と勇気が必要なわけです。