2012年4月17日火曜日

増え始めているフューチャーセンター ⇒ 地域活性のシナリオを生み出すオープンイノベーションに期待


地域活性の取り組みを行っていくためには、地域が抱える難しい問題に向き合っていかなければいけません。医療、介護、教育などその分野は多岐にわたり、かつ複雑になっています。この複雑な問題を解決する手段として最近、フューチャーセンターが注目されています。

Kabacchi

  フューチャーセンターとは ⇒ 組織の垣根を越えて知識を集結させる場
フューチャーセンターはヨーロッパ発祥の社会問題を解決する場のこと。1996年にスウェーデンの保険会社スカンディア社がストックホルム郊外に開設したことが始まりでヨーロッパを中心に20万ヵ所に開設されています。日本でも2007年には富士ゼロックスが、2009年には東京会場日動システムが開設しています。

このフューチャーセンター内には研修スペースやワーキングスペース、ミーティングスペースなどが設置。政府・企業・学生などの立場に関わらず、多くの関係者を一同に集めて、複雑な問題の解決のために知恵を出し合い、相互に協力していくことを目的に利用されています。オープンに知識を共有し、オープンに新しい可能性を探る、“オープンイノベーション”を実現する場として注目を集めています。


  日本でも増え始めたフューチャーセンター ⇒ オープンイノベーションは身近なものに
日本のフューチャーセンターも増えてきています。東京の二子玉川に開設されているのが「カタリストBA」。二子玉川の地域に根ざした企業・大学・・行政などの人びとがあつまり、生活とビジネスの可能性を探っています。具体的には約60社の法人会員が参加し、カタリストBAを中心としたコミュニティを形成。企業のリソースや個人のアイディアを紐付けて社会実験などを行っています。

横浜でも「mass×mass 関内フューチャーセンター」が開設されており、横浜で事業を行っている起業家やNPOが集まっています。このmass×mass では主に
 ・交流・連携ネットワークの提供
 ・インキュベーション機能の提供
を軸に、横浜で活躍する社会企業家に対する支援策を富士ゼロックスやコクヨなどのサポートも得ながら行っています。

こうしたフューチャーセンターが日本国内に増えていけば、私たちは組織の壁に囚われることなく、多くの知識に触れることが可能になります。そして一つの組織では解決困難であった課題に対しても、全く違う観点から解決策を見出せるようになるかもしれません。オープン・イノベーションを身近に利用できる環境が出来上がってくる可能性があるのです。


  フューチャーセンターが地域にもたらす可能性 ⇒ オープンイノベーションによる地域活性シナリオ
地域のフューチャーセンターは、地域という共通項で様々なステークホルダーを集めることができます。そして知識を集結することができます。そこから得られるオープン・イノベーションはどのようなものになるでしょうか。その一つの可能性は、地域活性のシナリオです。単一的な観点で行う一過性の施策ではなく、それぞれの観点を紐付けた連続性の高い地域活性のプログラムを作ることが期待できます。それと同時に、地域活性に向けた施策に強くコミットするプレイヤーを得ることもできます。地域活性を机上の空論で終わらせない、ハコモノだけでも終わらせない、地域社会が本当に必要としている活動をフューチャーセンターから見出せることが期待できるのです。


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