2012年4月2日月曜日

7割のユーザが感じるSNS利用のわずらわしさ ⇒ SNSを使いこなすリテラシー × 情報を選び出すシステムが必要

いまやネットユーザーの大半が利用しているSNS。国内普及率が45%(ICT総研 2011年12月27日発表)にも達しています。しかし、普及してくると必ず弊害は起きるもの。徐々にユーザ心理にも変化が起きているようです。

luc legay

  1日複数回のSNS投稿が最多21% ⇒ 利用し始めたら更新頻度は高い
シータス&ゼネラルプレスが3月29日に発表した「SNSでのシェアに関する意識調査」によると、SNS利用ユーザーの投稿頻度は1日複数回が21%でもっとも割合として多く、次いで2~3日に1回の17.5%、1日1回の11.7%となっており、2~3日に1回以上更新するのは全体の50.2%となっています。1週間に1回以上投稿するユーザは全体の7割強。SNSを使い始めれば、大半のユーザは比較的小まめに投稿を行っているようです。



  7割のユーザが感じるSNS利用のわずらわしさ ⇒ 不要な情報もシェアしている状態
SNSのユーザの投稿頻度が高い一方で、SNSでつながなっている人に同一の情報をシェアすることに抵抗を感じている人は全体の75%シェアすること自体を面倒に感じている人は70%にもなっています。また、シェアされる側の立場からは、シェアされる内容に不要なものが“よくある”または”ある”と答えた人は63.5%。盲目的にシェアをすることも、されることにもわずらわしさを感じているようです。



  目的をもったSNS利用へシフト? ⇒ SNSを使いこなすリテラシー × 情報を選び出すシステムが必要
さて、こうしたわずらわしさを持っていたとして、SNSの利用頻度が落ちていくでしょうか。たしかに不要な情報もあるし、わずらわしさを感じることもあります。しかし、逆を言えば必要な情報もあるし、面倒を感じることなく楽しんでいるケースもあるわけです。おそらく、同じユーザでも楽しんで活用できている瞬間と、面倒でわずらわしく感じている瞬間があるはずです。つまり、SNSを利用することに感じるわずらわしさが、SNS離れに直結することはないでしょう。

では、今後どうなっていくのか。可能性としては2つ考えられます。一つは私たちがSNSを使いこなすリテラシーを身につけていくこと。例えば
 ・不要な情報があっても流して気にしない
 ・必要な情報に適切にアクセスできる
 ・相手によってシェアの仕方を変えられる
といったもの。場合によっては複数のSNSを使いこなすことが必要になるかもしれません。Facebookを中心にOpen Graphで繋げば、情報は全てFacebookに集約しておいて、個別のつながり・コミュニケーションを楽しむことだってできます。ただし、SNSのリテラシーを身につけるには時間がかかることが難点です。

もう一つの可能性はシステムの進化です。すでにFacebookでは行われていますが、ユーザが関係しそうな情報、興味がありそうな情報に絞り込んで表示する仕組みの提供です。ユーザのリテラシーに関係なく、SNSを楽しむことができるようになることが利点です。ただし、提供する情報の精度は現段階では十分なものではないですし、あくまでも過去の統計データから情報を取ってくるだけですので、このシステムから提供される情報から新しい発見をユーザが得ることは少ないでしょう。

SNSを使いこなすリテラシーと、ユーザが求める情報を提供する仕組み。この2つを発展させていくことが今後の課題なのでしょう。