2012年4月10日火曜日

【ネタバレBookReview】9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係

鈴木 秀子
PHP研究所
発売日:2004-01-06
仕事をするということは人と付き合うということ。そして自分とも向き合うということ。言葉にするのは簡単ですが、実際には難しいことも少なくありません。そのための一つのヒントとして参考になるのがエニアグラム。人の性格や行動特性のパターンをある程度知っておくことで、相手を受け入れやすくなりますし、自分自身を客観的に見ることもできるようになります。もちろん、それが全てではありませんが、一助になることは間違いないでしょう。

以下、要約と解釈の整理です。


  エニアグラムの9つの性格
エニアグラムによると、人の性格は以下の9つに大別されるとのこと。
1・完全でありたい人
2・人の助けになりたい人
3・成功を追い求める人
4・特別な存在であろうとする人
5・知識を得て観察する人
6・安全を求めて慎重に行動する人
7・楽しさを求めて計画する人
8・強さを求めて自己主張する人
9・調和と平和を願う人
当然ながら100%、人間の性格を言い当てることはできませんが概ねどこかの枠には入ってきます。相手や自分の基本特性を知るためのフレームワークとして覚えておくには損はないでしょう。


  囚われを知ることで向き合える
人間には何かしらの“囚われ”があります。固定観念、先入観という言葉で置き換えられるものかもしれません。メンタルモデルといったりもします。それは人間の行動パターンを決めてしまうものなのです。逆説的に言えば、この“囚われ”さえ見極めれば、自分自身のこと、相手のことを深く知ることにもつながってくるのです(当然、自分自身を知るほうが先であり、相手の囚われが何かを望まれないのにほじくり返すことは不用意にやるべきではありません)。そしてこの“囚われ”が望まない未来、望まない状況を作り出す要因ともなっているのです。

この囚われは3つの要素に分解されます。この要素と性格のパターンの関係性を見ていくと、ケアの仕方も見えてきます。
・本能中枢 : 本能的に無意識に出てくる要素(1・8・9が該当)
・感情中枢 : 相手との関係性によって出てくる要素(2・3・4が該当)
・思考中枢 : 頭で考えることによって出てくる要素(5・6・7が該当)

ケアをするにあたっては関係性があり、以下のように他の性格の要素を持ち込むことで“囚われ”を和らげ、現状を受け入れて、メンタルの改善に紐付けることができるようになります。・
7 ⇒ 1 : 自己愛を伝える
4 ⇒ 2 : 他社に認められる喜びを伝える
6 ⇒ 3 : 忠実・誠実のイメージを伝える
1 ⇒ 4 : 誇りを伝える
8 ⇒ 5 : 強さを持っていることを伝える
9 ⇒ 6 : 平穏さ、マイペースであることを伝える
5 ⇒ 7 : 知っていることを伝える
2 ⇒ 8 : 献身的であることを伝える
3 ⇒ 9 : 成功しているという自信を伝える

理解して実践していくにはより深堀した知識と経験が必要です。ただ、自分自身を見つめるだけであれば今の時点でもできそうです。