2012年4月23日月曜日

Facebookがもたらす広告スタイルの変化 ⇒ コンテキスト・マネジメントでモノではなくコトの訴求を


Facebookの主な収益源は広告です。しかし、ユーザエクスペリエンスが進化していったとき、今の広告のスタイルはそのまま維持される可能性は低いでしょう。いったいどのような広告モデルがありえるのか、整理してみたいと思います。

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  モバイルプロモーションの高度化 ⇒ ユーザの行動とのリンクは必須
モバイルプロモーションを突き詰めていけば、より高度なユーザエクスペリエンスの提供が必要になります。このとき、明示的な広告はユーザニーズにかなったものではないかもしれません。すくなくともプッシュ型で“見せられている”広告は、ユーザにとってはわずらわしい存在になっていきます。そうなると、いかにユーザが“見たい”と思っているコンテンツを提供し、サービス提供・購買活動につなげていくかが必要となっていきます。

ここで可能性として考えられるのが、もともとOpen Graphの発表時からFacebookが唱えているユーザ同士の行動のシェアです。「Listen」機能のように、何気ないユーザ行動がそのユーザの友だちにシェアされる環境を作り、興味関心を高めることが必要になります。しかも広告としてではなく、ユーザ自身が楽しむためのコンテンツとして提供されれば、訴求効果は高くなるでしょう。


  提供するタイミングが重要 ⇒ 必要な要素はコンテキスト
プロモーション効果を高めていくことを考えれば、行動のシェアをリアルタイムに行うだけでなく、そのタイミングのコントロールも必要になります。同じ場所に行ったとき、類似した行動を取っているとき、近い関心ごとを持っているときにピンポイントで他のユーザの行動がシェアされれば、訴求効果はさらに高まります。

そのためには単に統計的にデータを眺めるだけでは不十分です。ユーザが行動をとった背景、つまりコンテキストをとらえることが必要になります。そしてコンテキストの要素を分解し、どのポイントでどのコンテンツの訴求効果が高いかを見極めていくことが必要になります。


  コンテキストに基づくプロモーション ⇒ モノではなくコトの訴求が重要に
コンテキストをとらえ訴求すべきコンテンツを適宜提供する、しかもそのコンテンツは他のユーザがとった行動をシェアする情報となってくると、プロモーションのあり方は大きく変わってくることが考えられます。

まず、バナー広告にしても何にしても、ただどこかの広告スペースに表示しておくだけのスタイルは主流ではなくなります。結局のところ広告スペースは、ユーザが興味関心を示すコンテンツの外枠に表示されることになります。しかしながら、コンテキストにそって提供されるプロモーションはユーザの興味の真ん中にあります。その効果の差は歴然としたものになるでしょう。

そしてコンテキストの中にいり混ぜることになるのですから、単純な広告というスタイルはとりにくくなります。"行動のシェア”をプロモーションのための媒体として位置づけることが必要になります。となると、いかにユーザに行動してもらうかが必要な要素になります。例えば、シェアされる行動(購買や音楽の再生など)を行えばポイントがもらえるような仕組みを提供することが重要になるかもしれません。行動のシェアにひもづけて企業の商品やサービスを提供することも手段としてあり得るでしょう。

この分野の研究はもう少し深めなければいけませんが、少なくともコンテキストを重視したマネジメントが必要になることは間違いありません。その上で訴求力の高いコンテンツの提供、顧客価値の提供につなげることが必要なのです。いわゆるモノからコトへの変革が求められるのです。